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サムスン電子、東芝と相次いで連携したGLOBALFOUNDRIESの狙いバイスプレジデントが会見(2/2 ページ)

» 2014年04月24日 11時30分 公開
[馬本隆綱,EE Times Japan]
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東芝とのパートナー契約

 東芝とのパートナー契約は、日本市場における活動成果の1つとみている。両社は2014年3月に、GLOBALFOUNDRIESが東芝に対してウェハーを供給する契約を結んだ。今回はASICパートナーとしての協業となる。東芝は、GLOBALFOUNDRIESが保有する65nmと40nmの低電力プロセスを使って、FFSA(Fit Fast Structured Array)を開発・量産する。その後は28nm品の開発も行っていく予定である。

 Kengeri氏は会見の中で、EUV(極端紫外線)露光技術に関する取り組みについても語った。「テクノロジのスケーリングにおいて、EUV露光技術は重要であるが、本格的な実用化に向けて技術の完成度は十分とはいえない。毎時175枚のスループットまで処理性能を引き上げることが、ダブルパターンニング技術と置き換える条件だ」と話す。また、「機能あたりのコストを抑えていくには、共同開発による技術革新が重要である」と続けた。

ムーアの法則に沿ったトレンドに「戻して行く」

 28nmプロセス技術までは、ムーアの法則に沿って微細技術の開発が進められてきたという。しかし、20nmプロセス技術以降は、機能あたりのコストが上昇した。このためGLOBALFOUNDRIESは、14nmFinFETプロセス技術を用いることで、機能あたりのコスト上昇を抑えることとした。「半導体プロセスが10nm以降になると、回路設計や微細加工技術だけでは対応できない。パッケージ技術やTSV(貫通シリコンビア)技術なども駆使して、ムーアの法則に沿ったトレンドに戻して行く必要がある」(Kengeri氏)と述べた。

左は微細化技術における光源の出力とスループットの関係、中央は微細化と機能あたりのコストの推移、右は新たな形状のパッケージ技術 (クリックで拡大) 出典:GLOBALFOUNDRIES

 この他、直径450mmのウェハー導入に関する質問に対してKengeri氏は、「現行の直径300mmウェハーに比べて、材料コストでは22〜25%のアドバンテージはあるが、450mmウェハーの標準化と、製造装置の導入コストに課題がある」と述べた。これらの新技術の導入に当っては、「450mmウェハーは経済的に、EUV露光装置は技術的に、それぞれさらなるチャレンジが必要」と重ねて語った。

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