メディア

Bluetooth LEでクルマが変わる? 関心高まるスマホとの連携情報系だけでなくLINの置き換えも(2/2 ページ)

» 2014年05月02日 11時42分 公開
[Junko Yoshida,EE Times]
前のページへ 1|2       

ドライバーにとってのメリットは何か

 ドライバーにとっても、スマートフォンに搭載されたBluetooth Low Energy機能を使って自動車を制御するメリットは大きい。

 例えば、歩きながらスマートフォンで自動車のキーを回すと、スマートフォンから車にドライバーの情報が伝送され、ドライバーの好みに合わせてシートの位置や車内の温度が調節される。エンジンに何らかの異常が発生した場合に、スマートフォンに診断情報を表示する。こうした機能を実現できるかもしれない。

 もちろん、スマートフォンで全ての車載機能を制御するのは現実的ではない。Machness氏は、「車内の照明を好みの明るさに調節するといった、個人の趣味趣向に関連するものを制御するのが、スマートフォンの理想的な活用方法だろう」と述べている。Bluetooth Low Energyを使わずに車内環境をこのように制御しようとすると、もっと多くのケーブルを張り巡らす必要が出てくる。実際に、自動車メーカーはさまざまな制御用ボタンを配置するために、ダッシュボードをなくす設計案を作成しているともいわれている。

 自動車業界の中でBluetooth Low Energyを利用した車載機能向けアプリケーションを開発するのは、ティア1やサードパーティの開発企業である。Bluetooth Low Energyの安全性を尋ねたところ、Machness氏は、「Bluetooth Low Energyには、堅ろうな暗号化方式『AES-128』が搭載されている。どの機能をBluetooth Low Energyで制御するかを決められるのは、自動車メーカーとティア1だけだ」と答えている。

 TIは、CC2541-Q1のサンプル出荷を開始している。量産開始は2014年第3四半期を予定していて、既に同SoCを搭載するいくつかの製品の開発が進行中だという。2015〜2016年にも、Bluetooth Low Energyでドアや窓を制御できる自動車が発売される見通しだ。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.