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» 2014年05月16日 09時00分 UPDATE

福田昭のストレージ通信(6):「SSDが壊れる」まで(後編) (1/2)

SSDの寿命を決めているのは、化学的な要因やNANDフラッシュメモリの寿命などである。もちろん、故障の発生をできるだけ防ぐための策は講じられている。今回は、その代表的な技術を紹介する。

[福田昭,EE Times Japan]

機械部品のないSSDの摩耗故障

 SSD(Solid State Drive)もHDD(Hard Disk Drive)と同様に、バスタブ曲線に従って故障率が変化するモデルを採用していることは、前編で述べた。初期故障期、偶発故障期、そして摩耗故障期とSSDも故障率が変化していく。

 SSDはHDDと違い、機械部品がない。このため、物理的な衝撃を原因とする劣化は、起こりづらい。寿命を決めるのは化学的な要因(プリント回路基板の汚染や酸化など)と、記憶媒体であるNANDフラッシュメモリの寿命、NANDフラッシュメモリを制御するコントローラ半導体の寿命などになる。

SSDの故障発生を先延ばしにする

 比較的よく知られているのは、NANDフラッシュメモリの寿命である。しかし現実には、NANDフラッシュメモリの劣化はSSDの故障とは直接には結びつかない。コントローラ半導体とその上で動くファームウェアにより、故障の発生を先延ばしにするための対策が講じられているからだ。

 NANDフラッシュメモリでは、データを書き換えることによって対象のメモリセルがわずかに劣化する。書き換え回数が増えることにより、メモリセルの劣化が進行して書き換えが難しくなる。言い換えると、特定のメモリセルだけに対して書き換えを繰り返すことは、NANDフラッシュメモリの劣化を早めることになる。

 そこでSSDでは、特定のメモリセルに対する書き換え回数が突出しないように、コントローラ半導体で書き込みアドレスを操作している。この技術は「ウェアレベリング」と呼ばれる。後に述べる「誤り訂正符号」と並び、SSDの寿命を延ばすために現在では、標準的に装備される機能となっている。

mm140516_storage6_photo001.jpg SSDの故障を防ぐ代表的な技術(クリックで拡大)
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