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ルネサスSPドライバを485億円でシナプティクスが買収ルネサス、シャープ、パワーチップから

シナプティクスは2014年6月10日(米国時間)、ルネサスエスピードライバ(以下、ルネサスSP)の全発行済み株式を取得し、買収すると発表した。2014年10〜12月に買収を完了させる予定で、買収金額は約485億円としている。

» 2014年06月11日 10時55分 公開
[EE Times Japan]

 シナプティクスは2014年6月10日(米国時間)、ルネサスエスピードライバ(以下、ルネサスSP)の全発行済み株式を取得し、買収すると発表した。2014年10〜12月に買収を完了させる予定で、買収金額は約485億円としている。

従業員数350人、堅調な業績が続く中で

 ルネサスSPは、ルネサス エレクトロニクスが株式の55%を所有する中小型液晶表示ドライバICメーカー。ルネサスエレの他、シャープが25%、台湾の半導体メーカー・パワーチップ(力晶半導体)が20%(グループ会社のGlobal Powertec所有分16%含む)を出資する合弁会社となっている。従業員数は台湾の子会社も含め約350人。2013年3月期業績は売上高417億円、営業利益89億円、純利益57億円。親会社のルネサスエレの業績が低迷する中でも、堅調な事業を展開していた(関連記事:ルネサスが“優等生・中小型液晶ドライバ事業”の「譲渡検討」を表明)。

 今回、タッチパッドなどの入力デバイス用半導体などを手掛けるシナプティクスは子会社のシナプティクスホールディングスを通じて、ルネサスエレ、シャープなどからルネサスSPの全株式を取得する。シナプティクスは、「ルネサスSPが加わることによりシナプティクスは、ディスプレイ市場のあらゆるニーズに応える完成された製品ポートフォリオを持ち、多大な成長機会を持つ市場の先頭に位置する。この買収は、シナプティクスの顧客企業が必要としている、他に例のない先進技術、リアルタイムのローカルサポート、システムレベルの設計専門知識に根ざした、高性能かつコスト効果の高いソリューション開発への、シナプティクスのコミットメントを表すもの」とコメントしている。

「注力分野に該当しない事業」

 連結子会社であるルネサスSPの譲渡を決定したルネサスエレは、ルネサスSPの液晶表示ドライバIC事業を自動車、産業/通信、汎用という3つの注力分野に「該当しない事業」と位置付け、「(液晶表示ドライバIC事業に)積極的な経営資源の投入を行う譲渡先を、検討していた」という。そして、「今般、シナプティクスから、ルネサスSPの当社が保有する全株式を取得したいとの申し入れがあり、これを検討した結果、ルネサスSPの中小型液晶パネル向け表示ドライバIC技術との融合でモバイル端末向け事業を強化したいシナプティクスの子会社であるシナプティクスホールディングスに株式譲渡を実行することが全てのステイクホルダーにとって望ましいとの判断に至った」としている。

 なお、シナプティクスとルネサスSPは、2014年6月11日(日本時間)に都内で買収に関する会見を開く。【会見の模様はこちら

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