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» 2014年06月17日 16時26分 UPDATE

ビジネスニュース 企業動向:欧州裁判所、14億米ドルの制裁金を不服とするIntelの訴えを棄却

独占禁止法に違反したとして、2009年に欧州委員会から14億3000万米ドルの制裁金を科せられたIntel。これを不服として控訴していたが、欧州裁判所は同社の訴えを退けた。

[Rick Merritt,EE Times]

 欧州裁判所は2014年6月12日、欧州委員会(EC:European Commission)が2009年にIntelに対して化した制裁金を妥当とし、制裁を不服として控訴していたIntelの訴えを退けた。

 ECは2009年5月、Intelが独占禁止法に違反したとして10億6000万ユーロ(14億3000万米ドル)の制裁金の支払いを命じた。ECが反競争行為に対して科した制裁金としては、過去最高金額となる。Intelは、これを不服として控訴していた(関連記事:Intelが欧州裁判所に控訴、13億ドルの制裁金支払いに異議を表明)。

 The New York Timesは、「Intelは、この決定に対して欧州最高裁判所に上訴することも可能だが、上訴するかについてはコメントを控えている」と報じている。

 2009年5月の欧州裁判所の判決によると、Intelは、ほとんど全てのx86系CPUをIntelから購入することを条件に、DellやLenovo、HP(Hewlett-Packard)、NECなどのPCメーカーにリベートを支払ったという。また、Intelのプロセッサを搭載したPCのみを販売することを条件に、欧州のPC小売業者であるMedia Saturnにも金銭を渡したという。

 欧州裁判所はさらに、AMD製のCPUを搭載するPCの販売を延期または中止することや、AMDベースのPCの販売を制限することを条件に、AcerやHP、Lenovoに金銭を供与したと指摘している。

 米国政府も、IntelやMicrosoftの2つの類似した係争に関して、独自の調査を行っている。AMDは、米国と欧州でIntelを提訴していたが、米国の訴訟に関しては、Intelが和解金を支払うことで合意が成立している。

 2009年の判決が下された時に機器メーカー数社がEE Timesに対して語ったところによると、リベートの一部は、IntelやMicrosoftによる共同販売規約の一環として支払われていたという。HPの情報筋は、「リベートは相当な額に上る場合もあり、四半期決済の直前に渡されるため、収益の低いPCメーカーにとっては魅力的だった」と語った。

制裁金の取り消しならず

 Intelは、欧州裁判所に対し、制裁金の取り消しもしくは減額を訴えた。

 しかし、欧州裁判所は、「Intelがx86プロセッサ市場で70%以上のシェアを獲得している一因には、リベートの供与がある」として、「当社がリベートとして支払ったとされる金銭の供与が競争原理を阻害したという証明を、個々の事例に対してするべきだ」というIntelの訴えを退けた。

 欧州裁判所は判決文の中で、次のように詳述している。

優位な立場にある企業が供与する排他的リベートは、市場競争を制限し、競争相手を妨害する可能性がある。こうした原則から、競争を制限する可能性があることを個々の事例に対して証明する必要はない。
Intelは、反競争的な行為を隠そうとしたことに加え、戦略的に最も重要な販売チャネルからAMDを締め出すべく長期間にわたり包括的な戦略を行った。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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