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DRAM市場は安定の時期に、激しい需給変動は終わるビジネスニュース 市場動向(1/2 ページ)

Samsung、SK hynix、Micron Technologyの3社でシェアのほとんどを占めるDRAM市場。PC以外からの需要も増えてきて、需要と供給の変動が激しい時期は終わり、安定した市場になりつつある。

» 2014年06月23日 12時02分 公開
[Ismini ScourasEE Times]

 DRAMは、エレクトロニクス関連の市場リポートの中で、「DRAM」と「安定性」という単語を同時に見かけることがほとんどないくらい、半導体分野の中で最も変動が激しい市場とされていた。しかし、現在DRAM市場で生き残っているメーカーの数は非常に少なく、需給バランスの変化の激しさは既に過去のことになったようだ。

 DRAMメーカーはもはや、“市場シェアの獲得”を重要目標として掲げることはない。SamsungやMicron Technologyなどの大手DRAMメーカー各社は、数十億米ドル規模の資金を投じて大規模な製造施設を建設するのではなく、最終的に販売価格や粗利益、利益率などを高めるための戦略を推進している。現在では、スマートフォンやタブレット端末、ネットワーク機器、車載機器など、従来とは異なる市場からの需要が増加している。このため、かつてのように、DRAMの売上高成長がPC市場の健全性だけによって左右されるということはなくなった。その結果、DRAM市場では、安定性や成長性、革新性などが飛躍的に高まっている。

 米国の市場調査会社であるIHSでDRAM/メモリ部門のアナリストを務めるMike Howard氏は、「既存のDRAMメーカー各社は非常に成熟していて、理論的根拠に基づき、市場を知り尽くしている。このためDRAM市場は、今後も安定した状態が続くだろう。各社ともトレードオフをよく理解し、最善の財務意思決定を行うことができる」と述べている。

 安定を予測できる要素は他にもある。IHSによると、2013年における世界DRAM売上高は、前年比32.5%増となる350億米ドルで、2014年には同19.4%増となる418億米ドルに達する見込みだという。2015年は、前年比わずか2%増と伸び悩むものの、依然として堅調に成長し、425億米ドルに達するとみられている。

2007年第1四半期と2014年第1四半期におけるDRAM市場(売上高とメーカー)の比較。売上高の単位は百万米ドル

 Samsung Semiconductorのメモリマーケティング担当コーポレートバイスプレジデントを務めるJim Elliott氏は、「サーバ向けDRAMやグラフィックスDRAMなどに対する強い需要が見込まれる他、PC/モバイル市場向けの堅調な成長も期待できる」と述べている。

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