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» 2014年07月11日 08時00分 UPDATE

材料技術:高電圧コンデンサ用誘電体、高温下での絶縁破壊強度を高め小型化を実現

NEC SCHOTTコンポーネンツの「POWERAMIC」は、高電圧コンデンサ誘電体用ガラスセラミックである。最大300℃の高温環境でも絶縁性と破壊強度に優れ、高いエネルギー貯蔵密度を実現することができる。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

 NEC SCHOTTコンポーネンツは2014年7月、高電圧コンデンサ誘電体用ガラスセラミック「POWERAMIC」を開発した。最大300℃の高温環境でも絶縁性と破壊強度に優れ、高いエネルギー貯蔵密度を実現することができる。エキシマレーザー機器や医療用X線装置、工業用高電圧電源などに用いられる高電圧コンデンサに向ける。

 POWERAMICは、定格電圧が1〜100kVの高電圧コンデンサ向けに開発した。チタン酸塩ベースのガラスセラミックで、ナノサイズの結晶構造と、厳密に管理されたアモルファス相が特長である。材料自体が緻密で空隙がないため、エネルギー貯蔵密度は、既存のセラミック誘電材料に比べて最大10倍も上回っているという。

tm_140710necschott01.jpg POWERAMICの外観、出典:NEC SCHOTTコンポーネンツ

 また、コンデンサの形状も大幅に小型・軽量化することが可能だ。定格電圧が50kVで静電容量が1000pFのセラミックコンデンサについて、その体積を比較すると、従来のセラミック誘電材料を用いた製品を「100」とした場合、POWERAMICを用いると「21」で済むことから、ほぼ8割も体積を削減することが可能である。重さも体積に比例して軽量化することができるという。絶縁破壊強度も高い。

tm_140710necschott02.jpg POWERAMICは、緻密で空隙がないため、現行のセラミック誘電材料の課題を解決することができる (クリックで拡大) 出典:NEC SCHOTTコンポーネンツ

 POWERAMICは、従来のセラミック誘電材料を用いたコンデンサに比べて、動作温度範囲が広いのも特長だ。これまでの高電圧コンデンサでは、主にポリプロピレンやM4700などのセラミックが採用されている。これら材料の動作温度は最大85℃で、これ以上の温度環境では静電容量が小さくなるなど、特性が劣化していた。これに対してPOWERAMICは、動作温度範囲が最大300℃対応品と同200℃対応品の2種類を用意した。

 POWERAMICは、メタライズ品または非メタライズ品で供給する。また、ドアノブ型、円筒型、シングルレイヤキャパシタ、SMD型などの他、顧客の製品仕様に合わせた形状にも対応していく予定である。

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