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広がる無線給電の用途、民生機器から自動車までTECHNO-FRONTIER 2014(2/3 ページ)

» 2014年07月30日 20時05分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

走行中の給電を実現

 ダイヘンは、走行中の自動車などに給電できるシステムとして、「平行2線式給電」を展示した。同社と奈良先端科学技術大学院大学が共同開発している技術で、磁界共鳴方式に基づくもの。2本の送電コイル(導電線)を線路のように道路に埋め込み、そこに13.56MHzの高周波電圧を印加する。その上に停車している、あるいはその上を走行中の自動車に給電することができる。送電コイルを搭載した送電装置を一定間隔で多数並べる中継コイル方式に比べて、低コストで容易に距離を延長できるという。

 ダイヘンは、もともと13.56MHzの高周波電源を産業機器向けなどに提供していた。この技術を応用すれば、無線給電市場に参入できるのではないかと考えたという。高周波電源は、100kHzなどを利用する低周波電源に比べてコストが高く、損失が大きいというデメリットがあった。ダイヘンは、低コストで効率の高い高周波電源を開発。これによって、高周波電源を利用した無線給電システムを低コストで構築できるようになる。

「平行2線式給電」のデモ。レールに埋められている赤い線が送電コイル(導電線)である(クリックで拡大)

60cm離れても給電可能

 アドバンテストは、磁界共鳴方式を用いた同社の無線給電技術「AirTap」のデモを披露した。AirTapは、“空中(Air)にコンセント(Tap)を”という意味で、空中から電源を取り出せるイメージで名付けたという。

 デモでは、直径60cmのコイルを搭載した送電部を壁に内蔵し、その前を通過する機器に給電している。各機器は電力を受け取ると音楽が流れたり、LEDが点灯したり、「給電された」ということが分かるようになっていた。今回のデモでは、60cmほど離れた場所にも給電できるとのこと。

 アドバンテストは現在、AirTapを使ってどのようなアプリケーションを開発できるか検討中だとしている。

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「AirTap」のデモ

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