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» 2014年09月16日 10時00分 UPDATE

スパンション日本法人社長 後藤信氏:「半分は日本企業」――これからも変わらず、進化を目指すスパンションの戦略

スパンションは、富士通/富士通セミコンダクターからマイコン・アナログ事業を買収して丸1年を迎えた。“日本メーカーの良さ”を最大限に残した製品開発、サポート体制を活かしながら、メモリ事業と同様、マイコン/アナログ製品をグローバルに展開する。日本市場についても「最重要市場と位置付け、ビジネス強化を行う」という日本での事業を統括するスパンション日本法人社長の後藤信氏に、マイコン・アナログ事業を中心にしたスパンションの技術/製品戦略などを聞いた。

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統合作業は完了

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――2013年8月に富士通/富士通セミコンダクター(以下、富士通)からマイコン・アナログ事業を買収してから1年が経過しました。

後藤信氏 組織やITシステムなどさまざまな面での統合作業で、忙しい1年でした。2014年2月には、組織面での再編成を終え、2014年3月からは、メモリとマイコン/アナログの営業機能を一体化し、各営業担当者がメモリ、マイコン、アナログというスパンションの全ての製品を扱う体制へと移行しました。さらにこの8月には、物流システムもスパンションのシステムに統合することができ、一連の統合作業を完了したと言えます。

――マイコン・アナログ事業における事業戦略は、富士通時代と買収後でどのように変化しましたか。

後藤氏 基本的に、富士通時代と変わっていません。

 事業買収が決まった直後の2013年5月に、国内の主要顧客に直接、買収に関しての説明を行いました。その際、開発ロードマップなど富士通時代の事業方針を変えずに踏襲していくことと、日本の企業に対してこれまでと変わらない体制で厚くサポートしていくという2点を強調して説明しました。これからもこの姿勢は変わりません。

日本中心のマイコン/アナログ開発

――マイコン・アナログ事業における技術/製品開発体制はどのようになっていますか。

後藤氏 開発体制も富士通時代と大きく変わっていません。日本の開発設計部門が中心となり、ドイツや中国(成都/上海)といった旧富士通時代からの海外開発設計拠点とともに、技術/製品の開発設計を行っています。

 体制としては、大きな変化はないですが、もちろんNOR型フラッシュメモリで世界シェアトップであるメモリ事業とのシナジーを発揮するために、連携した開発設計を始めたというような変化はあります。

――メモリ事業とマイコン・アナログ事業とのシナジーとしてどのような効果を見込んでいますか?

後藤氏 マイコンの製品競争力は、周辺機能(ペリフェラル)と内蔵フラッシュメモリの2点が大きく左右します。その内蔵フラッシュメモリに、スパンションの誇る最先端メモリ技術を最適化してマイコンに搭載できるという点は、他にない強みとなります。

 シナジーは内蔵フラッシュだけではありません。マイコンを搭載する機器には、多くの場面で、マイコン同様の主要デバイスとしてメモリが搭載されます。このマイコン、メモリという両キーパーツを1社で提供できるメーカーはスパンションだけでしょう。デバイス単体ではなく、システムレベルでの提案が求められる昨今において、こうした面でも相乗効果が多く見込めます。

自動車、産業、民生の3分野がターゲット

――2年目の“スパンション マイコン・アナログ事業”の方針を教えてください。

後藤氏 引き続き、注力分野として「自動車」「産業」「民生」の3つを掲げています。

 まず、自動車は2013年から急速に需要が拡大している分野であり、今後も期待できる分野です。当社が得意にしている(スピードメーターなど)クラスタ向けをはじめ、ボディ系向けにターゲットを置いて、グローバルでのシェア拡大を目指します。

tt20140514SP_EI_SP001.jpg スパンションの車載マイコン製品のCPUコアロードマップ。豊富な市場実績があるオリジナルコア搭載「F2MC-16FXファミリ」や「FRファミリ」の上位ファミリとしてARM Cortex-R5コア搭載「Traveoファミリ」をラインアップした。なお、F2MC-16FXファミリやFRファミリなどの従来ファミリも引き続き拡販していく (クリックで拡大)

 2014年5月には、そうした用途向けに次世代型の車載マイコンといえる「Traveoファミリ」を発売しました(関連記事)。高性能なCPUコア「ARM Cortex-R5」とわれわれが長く培ってきた優れたペリフェラルマクロを組み合わせて、先進的な製品展開を行います。既に主動力モータやジェネレータ(発電用モータ)の2つのモータ制御に対応した製品や、最新車載LAN規格「CAN FD」のペリフェラルを搭載した製品のサンプル出荷を開始しました。

 今後は、車載LANと同様、得意にしているグラフィックス処理マクロを搭載したクラスタ向けグラフィックスマイコンも投入予定です。

 また、2014年に製品化した高速インタフェースを持つ「HyperFlash Memory」もグラフィックスに最適な製品であり、グラフィックスマイコンと合わせてクラスタ向けでの拡販を行っていく方針です。

――産業、民生向けの製品展開についてはいかがですか。

後藤氏 産業、民生向けのマイコンとして、ARM Cortex-M3コアを搭載した「FM3ファミリ」を積極的に強化し、一通りのラインアップ(570種)がそろい、徹底した拡販を行っているところです。また、並行してARM Cortex-M4コアや同M0+コアを搭載した製品についても、開発ロードマップに従い製品投入を行っていきます。

2015年に40nmチャージトラップメモリ搭載品を投入へ

――相乗効果を見込むメモリ事業の技術などと融合した新たなマイコン開発の進捗(しんちょく)はいかがですか。

後藤氏 スパンションになったことで、製品ロードマップの展開や先端テクノロジー・ノードへのより積極的な取り組みが可能になりました。

 現在、スパンション独自の40nmプロセス対応チャージトラップメモリを搭載したマイコンの開発をメモリ部門の他、40nmプロセス採用メモリの製造委託先である台湾UMCとも連携して進めています。2015年中にもエンジニアサンプルを出荷する見込みです。

 40nmプロセス採用マイコンの開発ロードマップは買収後に描いたものであり、スパンションが買収したことによる効果の一例です。競合の中には既に40nmプロセス採用マイコンのサンプル出荷を始めたところもあるようですが、当社のチャージトラップメモリは、記憶セル当たりのサイズが小さく、優位性を発揮できるでしょう。開発は順調で、多くの競合に先駆けて本格量産が行えると考えています。

 社内的には、既に28nmプロセス採用マイコンの開発ロードマップもあり、今後は常に最先端プロセスを使ったマイコンを提供していく方針です。

――アナログ製品に関してはいかがですか。

後藤氏 アナログIC市場は、大きな規模を持つ市場であり、継続して強化を行います。当社のアナログ製品はこれまで、ゲーム機やデジタルカメラ向けのシステム電源などカスタム型のパワーマネジメントIC(PMIC)を得意にしてきました。これからは、カスタムPMICに加えて、より汎用性のある電源ICを充実させていきます。具体的には、LEDドライバICや、エネルギーハーベスティングシステム用の超低損失/高効率のPMICなどになります。

日本での売り上げ拡大とグローバルでのシェア獲得を狙う

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――マイコン、アナログともに、製品開発案件が増えていますが、設計開発リソースの増強などはお考えですか。

後藤氏 スパンションは、成長事業に積極的に投資していく方針であり、マイコン・アナログ事業の買収もその成長性から実施したものです。当然ながら、継続した成長の見込めるマイコン・アナログ事業へのリソース増強を行います。

 マイコン・アナログ事業の課題の1つは、日本以外での売上比率を高めることです。製品設計に関しては、現地ニーズを迅速に反映する必要があり、もともとドイツと中国に設計拠点がありますが、さらに海外での製品設計リソースを増やすことになります。既に、これまでメモリの設計を行ってきたイスラエルの拠点を、マイコン/アナログ製品の主要製品の設計拠点に移行するなどの取り組みを始めています。

――スパンションにとっての日本市場の位置付けは?

後藤氏 海外売り上げ比率を高めることに取り組む一方、もちろん日本国内でも、これまで以上に、ビジネスを強化していく方針に変わりません。スパンション全社の売り上げの30〜40%を占めるのが日本市場であり、引き続き最重要市場です。

 スパンションは、米国に本社を置く企業ですが、もともと富士通とAMDのメモリ事業が統合した企業であり、今回、富士通のマイコン・アナログ事業が加わったわけです。“半分は日本企業だ”と言ってもよいと思います。

 米国本社も、厳しい品質管理体制など日本企業の良さを十分に理解しており、これからも日本市場のニーズに応える製品提供を変わりなく行っていきます。今後のスパンションにぜひともご期待ください。


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提供:Spansion Inc.(スパンション)
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年10月15日

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