インタビュー
» 2014年09月30日 11時30分 UPDATE

日本アイ・ディ・ティ 社長 迫間幸介氏:成長4分野に集中――戦略の明確化で拡大目指すIDT (1/2)

Integrated Device technology(IDT)は、2014年から新たな経営戦略を掲げて、事業成長を目指している。クロックICなど汎用品中心の事業体制から、成長市場/分野に対し、ソリューション型ビジネスも展開できる事業体制へと変わりつつある。2014年8月に日本法人 社長に就任した迫間幸介氏に新たなIDTの戦略などについて聞いた。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 クロックICなどタイミング製品大手メーカーとして著名なIntegrated Device technology(IDT)は近年、事業領域を広げさまざまな製品を扱う半導体メーカーへと変化してきた。パワーマネジメントIC、高速I/O、メモリインタフェースIC、RFデバイスなどの製品分野で、クロックIC同様の独自性を打ち出した製品を展開する。そして2014年からは、経営陣も刷新しつつ、クロックICだけでない総合的な半導体メーカーに見合う新たな経営戦略を打ち出した。日本でも新たな経営戦略に基づき事業成長を目指すIDTは、2014年8月1日付で、LSIロジックの日本法人代表などを務めた迫間幸介氏を日本法人社長に招聘(しょうへい)するなどして体制を強化している。

 IDTの新たな経営戦略や今後の日本でのビジネス方針などについて、日本法人社長の迫間氏にインタビューした。


もう1段、上のレベルへ

EE Times Japan(以下、EETJ) 8月1日付でIDTの日本法人である日本アイ・ディー・ティー(以下、日本IDT)の社長に就任されました。IDTを選ばれた理由などをお聞かせください。

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迫間幸介氏 クロックICなどタイミング向け製品のイメージが強いIDTだが、2014年2月にGregory Watersが社長兼最高経営責任者(CEO)に就任するなど近年、経営陣が刷新され、新しい経営戦略下で事業を展開している。新しい経営戦略とは、市場/成長を引っ張る「4Gインフラ」「通信コミュニケーション」「高性能コンピューティング」「パワーマネジメント」という4分野に集中していくというもの。クロックICなど競争力のある製品に加え、パワーマネジメントなどIDTにとって新しい製品も強化しながら、4分野で事業を拡大させるという分かりやすい戦略に共感するとともに、私自身の経験も多く生かせると判断して(日本法人社長就任を)決めた。

tt140930IDT002.jpg IDTが注力する成長市場/分野 (クリックで拡大) 出典:IDT

EETJ 4分野に集中する新しい経営戦略についてもう少し詳しくお教えください。

迫間氏 近年のIDTは、いろいろな事業機会を求めて、事業の買収/譲渡を繰り返し、少し複雑な体制となっていた。これを、Waters新CEOの就任とともに整理し、市場/成長を引っ張る4分野に集中することで、事業をもう1段、上のレベルにもっていこうというものだ。

 例えば、4Gインフラは、世界的に投資が活発化し伸びている市場だ。この市場に対しては、タイミング製品や高速I/O製品、RF製品といった複数の製品を提供できる。通信コミュニケーション分野向けには、タイミング製品主体の展開となり、急速な成長は見込めないものの、現状のシェアを維持、拡大することで、一定の事業規模の確保を狙っていく。

競争激しい電源市場でも

EETJ 「高性能コンピューティング」「パワーマネジメント」については?

迫間氏 高性能コンピューティングは、4Gインフラ同様、タイミング製品、高速I/O製品といった複合提案に加え、メモリインタフェース製品を提供できる。パワーマネジメントは、安定的に伸びる市場である半面、競争も激しい市場だ。その中で、IDTは無線給電用ICや拡張性に優れるパワーマネジメントIC(PMIC)などの特長を持つ独自性の強い製品を展開し、シェアを伸ばしていく計画だ。

EETJ 通信インフラやサーバなど高い利益率が望める付加価値の高い用途に集中されるのですか?

迫間氏 そうではない。タイミング製品などは民生機器を含めて幅広い用途で使用されている。そうしたすそ野の広いビジネスは引き続き、強化していく。そこにソリューション型のビジネスを加えていき、事業を拡大させていく。

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