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» 2014年10月29日 14時40分 UPDATE

電源設計:デジタル電源の開発期間を1/3にする開発環境を構築――富士通研 (1/2)

富士通研究所(以下、富士通研)は2014年10月29日、サーバなどIT機器用デジタル制御電源の開発を高効率化、高信頼化する新たな開発環境を構築したと発表した。I/Oボードと独自のコード生成技術から成り、デジタル電源の開発期間を従来の約1/3以下に短縮するという。

[EE Times Japan]

デジタル電源でもモデルベース開発が可能に

 富士通研究所(以下、富士通研)は2014年10月29日、サーバなどIT機器用デジタル制御電源の開発を高効率化、高信頼化する新たな開発環境を構築したと発表した。同社によると、デジタル電源開発期間を従来の約1/3以下に短縮する他、コーディングにおける人為的なミスを完全に排除できるという。2015年度中の実用化を目指す方針。

 IT機器や自動車に用いられる電源は、機能の高度化が要求され、電源にマイコンを搭載しソフトウェアで制御するデジタル制御電源の利用が一部で始まっている。

tt141029FLB001.jpg デジタル制御電源のイメージ 出典:富士通研究所

 しかし、機能の高度化に伴いシステムが複雑になり、設計時シミュレーションと実機動作のギャップの形で現れる多くの問題が発生している。富士通研によると、「その問題の所在が、制御対象の回路にあるのか、制御ロジックにあるのか、あるいはコーディング時の人為ミスにあるのか、の切り分けが困難になり、開発工数が増加し続けている」という。

高速な制御信号処理が必要

 こうした状況の中で、電源を含む組み込み制御システムの開発プロセスを高効率化、高信頼化するための手法の1つとして、「モデルベース開発手法」が注目されている。同手法は、制御ロジックの仕様を実行可能な要素モデルの組み合わせで表現し、計算機上の設計/シミュレーションから実機テストまで段階的に検証を行いながら開発を進めるもの。既に、自動車分野や航空宇宙分野などにおける組み込み制御システムの開発現場で有効性が実証され、普及が進みつつある。

 ただ、デジタル制御電源の開発に、モデルベース開発手法を導入するためには、制御モデルを計算機上で動作させて実電源回路を動作させる必要がある。サーバなどIT機器の電源に要求される制御周波数は、自動車分野や航空宇宙分野の制御システムが約10kHz以下であるのに対して100kHz〜150kHz程度であり、10倍以上の速さで制御信号を処理しなければならず、「電源開発用のモデルベース開発環境の構築は困難だった」(富士通研)。

tt141029FLB002.jpg 従来の開発手法とモデルベース開発 (クリックで拡大) 出典:富士通研究所

I/Oボードと独自コード生成で実現

 今回、富士通研は、高速な計算機上で制御モデルを動かし、電源制御信号を発生させ、実電源での回路動作を可能にする「高速高分解能I/Oボード」と「組み込みコード自動生成」によるIT機器用デジタル制御電源開発向けのモデルベース開発環境を実現した。

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