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小米(シャオミ)創世記――粒ぞろいの経営者たち注目度No.1のスマホメーカーといえば、ここ(2/3 ページ)

» 2014年11月20日 14時00分 公開
[Junko YoshidaEE Times]

販売戦略――インターネットの活用

 Xiaomiが中国国内で販売している民生機器は、スマートフォンだけではない。日本や欧州などの大手民生機器メーカーの多くがテレビ事業から撤退している一方で、Xiaomiは2013年に、「Xiaomi TV」やOTT(Over the Top)ボックス「Xiaomi Box」などを投入している。2013年末には、Wi-Fiルーターも発表した。Broadcomの1GHzデュアルコアCPUを搭載し、IEEE 802.11acデュアルバンド(2.4GHzと5GHz)動作で、1TBの2.5インチSATA HDDを備えるという。Lin氏によれば、同社が初めて米国市場に投入する製品は、Linuxベースのスマートルーターになる予定だ。Xiaomiは、ポータブル充電器などのアクセサリも数多く提供している。

 Xiaomiがインターネット販売を最重要視していることは、広く知られている。こうした同社のマーケティング戦略は、中国国内で、絶対的に優れた手法として称えられている。中国のスマートフォン市場に突如として現れ、わずか3年足らずで旋風を巻き起こしたXiaomiに対し、欧米のアナリストたちの多くは、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏がiPhoneを発表した当時を思い出したのではないだろうか(関連記事:「無線LAN普及の父でもあった」、Steve Jobs氏の隠れた功績)。

粒ぞろいの経営陣

 だが、Xiaomiの技術力については(マーケティングや販売などに比べて)あまり語られていない。同社の技術力は、ソフトウェアとハードウェアに精通するメンバーの知識の結晶で支えられている。

 7人の共同創設者は、中国のKing SoftwareやGoogle、Microsoft、Motorola出身のエンジニアたちだ。

 Lin氏は、Microsoftに勤務した後、Google Chinaに入り、“中国版Andy Rubin”ともいえる活躍を見せた。Rubin氏は当時、米国カリフォルニア州マウンテンビュー(Mountain View)の本社でAndroid開発部門を率いていた。Jiangji Huang氏は、Microsoft Chinaに従事していた。

 Guangping Zhou氏は、Motorolaが中国に置く研究開発チームを率いていた。同氏は元RFエンジニアで、Motorolaの同僚である20人のエンジニアと共にXiaomiに加わった。

 Hong Feng氏は、Xiaomiの創立に関わる前は、Google Chinaでチームリーダーを務めていた。最も新しいメンバーであるHugo Barra氏は、GoogleのAndroid製品管理部門のバイスプレジデントだった。

Xiaomiの創設者たち。中央で赤いTシャツを着ているのがJun Lei氏 出典:Xiaomi

 Xiaomiは、中国語で「小米」(雑穀の一種)という意味を持つ。社名の由来は、Mobile Internetの頭文字である「MI」が、中国語の「米」の発音と同じであることだという。同社は、2010年4月に創立された。

 中国で最も有名な資本家で起業家のJun Lei(雷軍)氏と、Google Globalの元エンジニアリングディレクタであるLin氏の両名のモバイルインターネットとAndroidに関するアイデアと情熱が結集された企業――それがXiaomiである。

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