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クアルコムの中国への投資戦略は正しいのか?ビジネスニュース 企業動向(2/3 ページ)

» 2014年12月18日 12時05分 公開
[Junko YoshidaEE Times]

投資は適切なのか?

 Qualcommの投資が、単なるイメージ戦略と受け取られるのか、中国のモバイルエコシステムにおける違反行為に対する真摯(しんし)な取り組みとして捉えられるのかは、現時点では不明だ。後者であれば、Qualcommは、投資活動が中国のモバイル業界から信頼を獲得するために効果を発揮することを期待しているだろう。

 だが、Qualcommの投資活動は、中国の適切な人物にアピールできているのだろうか。1億5000万米ドルは、中国当局との友好関係を築くのに十分な金額だろうか。

 その答えはまだ出ていない。

不透明な体制

 中国において独占禁止法を適用する動きが高まっている背景には、中国の政治体制の複雑さと不透明さがある。このような独占禁止法の適用には、さまざまな政府機関や、中央/地方政府、共産党などが関与している。それぞれの組織が、互いに強い影響力を及ぼし合って地位を獲得し、他の省庁に対する権力を行使しているという。

 また、さらに状況を複雑化する要因となっているのが、これらの組織がいずれも、Qualcommに支払うライセンス料が高いと不満を訴えていた中国国内の企業に対して、積極的に対応しているという点だ。

 確かに、中国政府当局や政治家たちは、大手外国企業を非難するだけで簡単に点数を稼ぐことができる。また、中国がQualcommに対する非難を正当化することができる要素の1つとなっているのが、中国の要求内容と、自国内の半導体業界における幅広い経済的/戦略的イニシアチブの内容とにつながりがあるという点だ。

 ここで重要視すべきは、中国政府が2014〜2017年の間に、国内の半導体産業に1200億人民元(約200億米ドル)の公的資金を投入すると報じられている点である。その一方で、中国の地方政府や未公開株式(プライベートエクイティ)投資会社は、主要な企業への投資資金として6000億人民元(約980億米ドル)を用意し、企業統合やM&Aを推進しようとしているという。

 こうした状況から見ると、Qualcommが戦略的な中国ベンチャー基金として用意した1億5000万米ドルは、非常に少ないのではないだろうか。中国のある業界筋は、「Qualcommの投資先4社は2013年に、極めて好調な業績を上げている。このため、4000万米ドルという投資額は、大した金額ではない」と指摘する。

 中国で半導体関連の新興企業を創設したある人物は、EE Timesのインタビューに応じ、「Qualcommの投資先である4社は、全てソフトウェア/アルゴリズム関連のメーカーだ。7InvensunとUnisoundの2社は、北京に拠点を置いている」と述べている。

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