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» 2015年01月08日 08時00分 UPDATE

徹底プレビュー「ISSCC2015の歩き方」(8):イメージャ/MEMS/医療/ディスプレイ(IMMD)編:モバイルと医療を多彩なセンサーが支える (1/2)

今回のテーマはセンサーだ。8K向けCMOSイメージセンサーや脳活動計測向けのセンサーなど、幅広い分野で使われるセンサー関連の注目講演を紹介する。

[福田昭,EE Times Japan]

入力と出力を担う半導体チップ

 「ISSCC2015の歩き方」でこれまで紹介してきたのは、信号処理や制御処理、変換処理などを担う半導体チップとその要素技術である。今回は、少し趣きが異なる技術が登場する。実世界とシステムの境界に位置する半導体技術である。システムの入力と出力を支える半導体チップと回路技術の研究成果が披露される。

 ISSCCでは、システムの入力と出力に関連するテーマを「IMMD」と総称している。IMMDとは「イメージャ(Imager)」、「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」、「医療(Medical)」、「ディスプレイ(Display)」の略記で、IMMDとなる。この中で医療があるのは一見すると奇異に感じるが、実際に発表されるのはセンサーやイメージャなどである。すなわち入力関連の半導体チップであることから、同じテーマに分類されている。

 このIMMDに関するセッションは3つある。セッション6(サブテーマは「イメージセンサーとディスプレイ」、2月23日月曜日午後1時30分開始予定)、セッション11(サブテーマは「生命科学向けのセンサーとイメージャ」、2月24日火曜日午前8時30分開始予定)、セッション27(サブテーマは「物理センサー」、2月25日水曜日午後1時30分開始予定)、である。

8Kスーパーハイビジョンを撮影するCMOSイメージセンサー

 セッション6(イメージセンサーとディスプレイ)では、8Kスーパーハイビジョン放送システムに対応した超高精細CMOSイメージセンサーと、ペン入力タッチパネル向けの高機能センサーが注目を集めそうだ。

 8K(7680画素×4320画素)のスーパーハイビジョン動画を撮影するイメージセンサーを開発したのは、NHK放送技術研究所(NHK技研)と米国のイメージセンサー開発企業Forza Siliconの共同研究チームである(講演番号6.2)。このセンサーは、NHK技研が2014年5月29日〜6月1日に開催した研究所公開イベント「技研公開 2014」で展示したイメージセンサーとみられる。ワンチップで8Kの解像度とRGB(赤緑青)のフルカラー撮像を両立させた。

photo 8K(7680画素×4320画素)のスーパーハイビジョン動画を撮影するイメージセンサーの概要。NHKが2014年5月15日にリリースした報道機関向けの資料から引用(クリックで拡大)

 開発したイメージセンサーの撮像画素数は水平1万5360画素×垂直8640画素で、総画素数は1億3300万画素に達する。フレーム速度は60フレーム/秒と高い。逐次比較型アナログ・デジタル変換回路とアナログマルチプレクサ回路をパイプラインで動作させることで、高いフレーム速度を実現した。

 ペン入力タッチパネル向けの高機能センサーは、シャープ(講演番号6.6)と、韓国KAISTと韓国Samsung Electronicsの共同開発チーム(講演番号6.8)が、それぞれ発表する。シャープが発表するペン入力技術はアクティブペン(スタイラス)とパッシブペンの両方が使える。信号対雑音比(SNR)それぞれ41dBと32dBである。スキャン周波数は240Hz。スタイラスは直径0.5ミリと細い。KAISTなどのチームが発表するペン入力技術は、パッシブ共鳴スタイラスと相互容量センシングを組み合わせたもの。SNRは49dBである。

photo セッション6(イメージセンサーとディスプレイ)の注目講演(クリックで拡大)
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