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大歓声の中でもシュート音やバッティング音を拾う音声処理技術センシング技術(1/2 ページ)

NTTは2015年1月、歓声に埋もれたスポーツの競技音をクリアに抽出する音声処理ソフトウェア技術「ターゲットマイク技術」を開発したと発表した。

» 2015年01月28日 14時00分 公開
[EE Times Japan]

競技音だけを最大1000倍に強調

 NTTは2015年1月28日、歓声に埋もれたスポーツの競技音をクリアに抽出する音声処理ソフトウェア技術「ターゲットマイク技術」を開発したと発表した。「サッカーのシュート音」や「野球の打撃音」といった競技音を10〜1000倍(10〜30dB)強調し、より臨場感のあるダイナミックな音の出力が可能になるという。同社では、1年以内の実用化を目指すという。

 NTTによると、従来のスポーツ中継では、ガンマイクが使われていたものの、周囲の雑音(歓声や応援)を十分に抑圧できず、狙った競技音が埋もれてしまうという課題があったという。

これまでの技術課題(左)と開発した技術(右) (クリックで拡大) 出典:NTT

 NTTは2014年4月に、遠くの音をピンポイントで抽出する技術として、「ズームアップマイク技術」を開発(関連記事:20m離れた場所の話し声をクリアに拾う、NTTの収音技術)。ズームアップマイク技術では、複数のパラボラ反射板と約100個のマイクロホンで構成された受音系を用いることで、非常に鋭い指向性(約3°)を達成し、狙った音をピンポイントで集音できることを確認していた。しかし、装置サイズが大きく、スタジアムなどの施設へ常設するのが前提の技術だった。

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