ニュース
» 2015年02月26日 09時30分 UPDATE

無線通信技術:消費電力113μWの無線機で、32QAM/25Mbpsでの信号伝送に成功 (1/2)

東京工業大学は、新しい変調技術を開発し、低電力のRF無線給電型無線機によって、32QAM(直交位相振幅変調)、2.5Mビット/秒(Mbps)での信号伝送に成功したと発表した。無線機は、5.8GHz帯、113μWで動作する。今回の技術により、周波数利用効率に優れるQAM(直交位相振幅変調)を、低消費電力で実現することが可能になったという。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 東京工業大学は2015年2月25日、高周波(RF)無線給電型の超低電力無線機で、多値変調による無線信号伝送技術を開発したと発表した。無線通信機は、5.8GHz帯、113μWで動作し、同大学が開発した「直交バックスキャッタリング回路」により32QAM(直交位相振幅変調)、2.5Mビット/秒での信号伝送に成功した。113μWは、市販の無線機の1/10未満の消費電力である。従来、ミリワット未満の低消費電力では、周波数利用効率に優れるQAMなどの多値変調の実現は困難だった。

 なお、本研究結果は、2月22〜26日に米国で開催されている国際学会「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference) 2015」で発表されている。

ISSCC2015関連記事一覧
ルネサス、Bluetooth Low Energy用RFトランシーバで「世界最小消費電流」を達成
いよいよスマホ搭載か!? 電磁界結合による非接触コネクタで開発成果
25Gbpsの高速光伝送を、5mW/1Gbpsの低消費電力で実現
同時にカラフルな書き込みができる電子黒板向け静電容量式タッチパネル
【プレビュー】
日本の論文採択数は米国、韓国に次ぎ3位――ISSCC 2015の概要発表
「ISSCC2015の歩き方」最新記事一覧

「直交バックスキャタリング技術」

 今回の開発に携わったのは、同大学フロンティア研究機構の益一哉教授と精密工学研究所の伊藤浩之准教授、ソリューション研究機構の石原昇特任教授らの研究グループである。

photo 65nm CMOSプロセスで試作した無線機。回路部の面積は0.14mm2(クリックで拡大) 出典:東京工業大学

 直交バックスキャタリング技術は、トランジスタの入力インピーダンスを時間的に変化させることで、反射波の周波数変換と振幅・位相の変調を行うもの。

 下の図は、開発した無線給電型無線機の全体構成である。電源回路、受信機(RX)および送信機(TX)の3ブロックで構成される。電源回路では、親機から送信される、無線給電用のRF信号を整流し、キャパシタに蓄電後、送信機/受信機用の電源電圧を生成する。この電圧を0.6Vと、標準の半分にすることにより、低消費電力化した。

photo 開発した無線機のブロック図(クリックで拡大) 出典:東京工業大学
       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

All material on this site Copyright © 2005 - 2017 ITmedia Inc. All rights reserved.
This site contains articles under license from UBM Electronics, a division of United Business Media LLC.