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» 2015年03月05日 09時45分 UPDATE

USB前夜から歴代コネクタたちを偲びつつ:これから世界を席巻する!? USB Type-Cを知る (1/6)

これから、世界を席巻するであろう新しいコネクタ『USB Type-C』(USB-C)。USB前夜や歴代USBコネクタを振り返りながら、素晴らしいUSB Type-Cを紹介していこう。

[Max Maxfield,EE Times]

 読者はUSB Type-C(USB-C)について聞いたことがあるだろうか。もし聞いたことがないならば、ぜひ覚えておいてほしい、その小さな優れものが世界を席巻するだろうから――。

 USBに関する仕様を策定する団体USB Implementers Forum(USB-IF)が2015年CESにおいてUSB Type-Cを展示した。業界をリードする企業が2015年半ばにはUSB Type-C対応製品を市場投入すると期待されているからだ。この新しいUSB形式は非常に多くの利点を有しているので“皆が目を回す程に急速に普及する”と筆者は予測する。

 さて、読者がこれまでのUSBに精通しているならば、この記事は途中を飛ばしてUSB Type-C記述部分から読み始めるのもよいだろう。もし、USBについて復習したいとお考えならば、順に読んでもらいたい。

USB前夜の世界

 筆者には奇妙に感じられることだが、若い人の多くがUSB(Universal Serial Bus)規格が登場する以前の状況を具体的には知らないようだ。そうした読者には、ここからのセクションも興味深いだろう。一方、筆者と同様な“古手”の読者には、記憶を簡単にさかのぼって“苦労した時代”を思い起こすと面白いだろう。

 では、初めに1990年代初期の頃の典型的なデスクトップあるいはデスクサイド型コンピュータを考えてみよう。このコンピュータに接続されたさまざまな種類の周辺デバイスはそれぞれ、特有に入り組んだ複雑な構成のコネクタを有していた。

tt150305USB_001.jpg 図1 USB前夜に活躍したコネクタ

 コンピュータ背面のI/O(input/output)パネルには、2個のPS/2コネクタ(1個はキーボード用、他方がマウス用)があった。これらのコネクタは同じ構造だったが、命令信号が異なるため互いに取り換えることはできなかった。このような1990年代初期の頃には、コネクタを識別するための手掛かりはI/Oパネルの各ポートのすぐ近くに表示されたマウスとキーボードを表す小さな絵(アイコン)だけだった。これらの絵を判読するのは、デスクの下の暗闇に屈みこむ必要があり簡単なことではなかった。カラーコード付きのプラグとソケットをもつコネクタが使われたコンピュータを初めて見た時には「何と素晴らしいアイデアだ」と感心させられたことだった(読者にも理解できるだろうが、当時の筆者は簡単に感動したようだ)。

 次の時代には、1個または2個の9ピンRS-232の付いたコンピュータが出た。これらは、シリアルポートまたはCOMポート(通信用)と呼ばれ、スキャナ、プロッタ、外付けモデムなどさまざまな外部機器の接続に使用された。これらポートは非常に有用なものだったが、その一方では苦痛をもたらすものでもあった。なにしろ、新しい機器を接続する際には、データビット数やストップビット数、インタフェース速度など通信条件をセットアップする必要があったのだ。

 しかし、これらだけではなく、当時、大半のプリンタがパラレルポートやセントロニクスポートを使用していたし、外付け記憶装置を接続するためのSCSI(Scuzzy)ポートもあり、もっと多くのものがあった。何と楽しかったことだろう。

 これらのコネクタが大型で高価だったことはさておき、そのようなコネクタ、それらを使用したシステムには能力に何がしかの限界があった。例えば、コンピュータの電源を切断することなく機器を接続したり取り外したりできるホットプラグ能力がなかった。これらはコールドプラグ式であり、機器を追加したり取り外す時にはコンピュータの電源を切断し、所要の変更を行い、その後に各電源を再投入するという手順を要した。

 もう1つの大きな問題がコンピュータ背面のコネクタが足りなくなった時に生じた。例えば、RS-232を追加するためにはシステムに拡張ボードを追加しなければならなかった。

tt150305USB_002.jpg 図2 PCと拡張ボート

 実際、モデムや音楽カードなどほとんどの機能を追加しようとすると、通常は拡張ボードの追加を必要とした。問題は、ISA(Industry Standard Architecture)バスをベースとするシステムに拡張カードを追加することが容易ではなかったことだ(ISAはPCI=Peripheral Component Interconnect規格の前身)。カードを追加するには、PCのカバーを外し、カード上にある多くのスイッチやジャンパーを処置してカード構成を設定し、システムの空きスロットにカードを挿入するといった段階が必要だった。

 まあ、この程度のカードの追加だけならば単純な作業だ。しかし、問題はここから始まるのだ。

 システムの電源が立ち上がると、次には通常、追加デバイス用のドライバソフトをフロッピーディスクからロードしなければならない。次いで、多数の割り込み要求をさばいて、割り込み設定したリソースが他のデバイスの使用するものでないことを確認しながら、適切に処理しなければならない。

 例えば、1枚のモデムカードを追加するのは、何時間も必要とし、それも何をしているかが理解されている場合であって、平均的なユーザーにとっては混乱と絶望の悪夢になることだった――。

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