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IoT 時代を拓く超低消費電力無線通信プラットフォームBluetooth Low Energy、ZigBeeなどの複数の無線規格に対応

IoTを実現するキーデバイスとして、新しいSimpleLink 超低消費電力無線プラットフォームが登場した。Bluetooth low energy、ZigBee、6LoWPAN、Sub-1GHz、ZigBee RF4CEなど複数規格に対応可能な無線通信機能、本体がスリープ中でもさまざまな外付けセンサを制御してデータ収集可能なセンサ・コントローラ機能などを統合したプラットフォームだ。

» 2015年03月16日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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 世の中に存在するあらゆるモノが自律的にクラウドにつながり、情報をやりとりしたりサービスを利用するIoT(モノのインターネット)。そこでは、電源ケーブルや通信ケーブルに束縛されず、いつでも動作可能なマイコン、ワイヤレス通信、センシングの機能を持つ無数の装置が使われるようになる。テキサス・インスツルメンツ(TI)では、そのようなIoTを実現するキーデバイスとして、新しいSimpleLink™ 超低消費電力無線プラットフォームを発表した。

新プラットフォームの特長

 この新しいプラットフォームは、アプリケーション用のARM® Cortex®-M3マイコンを中心に、Bluetooth® low energy、ZigBee®、6LoWPAN、Sub-1GHz、ZigBee RF4CE™、TI独自の5Mbps占有モードなど複数規格に対応可能な無線通信機能、本体がスリープ中でもさまざまな外付けセンサを制御してデータ収集可能なセンサ・コントローラ機能などを統合している。この高度に統合された機能を、4mm角から7mm角のコンパクトなQFNパッケージに収めた。

SimpleLink™ ワイヤレス・マイコン・プラットフォームの概要 (クリックで拡大)

 最大の特長は超低消費電力だ。低消費電力ベンチマークとして定評のあるEEMBCのULPBench™で143.6というスコアを達成している。他のマイコン製品より消費電力を半分に削減でき、エネルギー・ハーベストによるバッテリレス装置や、1個のコイン電池で数年間動作する装置の実現も可能だ。この超低消費電力は、TIが誇る65nmの超低リーク電流プロセスによりコアの動作時・スリープ時の電力を徹底して抑え込んだこと、チップ内部でのDC/DCコンバータの採用、Cortex-M3に加えて無線通信用のCortex-M0、センサ制御専用エンジンのSCEを加えた3コア構成の採用などによって実現した。

 IoTデバイスでは、アプリケーション、無線通信、センシングの処理がそれぞれ非同期に発生し、処理の頻度や負荷も異なる。1個のコアで実現しようとすると、コア全体が頻繁にウェイクアップされて動作時間が長くなり、スリープによる省電力効果が乏しくなってしまう。3コア構成によりCortex-M3コアの消費電流と動作時間を最小化し、必要なときに必要なコアだけをウェイクアップして省電力効果を最大限に活用できる。

 また、無線コアやセンサ制御エンジンを別コアに分けたことにより、ユーザーは無線やセンサの細かい制御を専用コアに任せて、Cortex-M3を使用するアプリケーション開発に専念できる。無線制御はソフトウェア無線を採用し、リンクレイヤをROMで搭載しているので、複数無線規格対応が容易に実現できた。ユーザーにとっては、同じ装置をさまざまな通信環境向けにカスタマイズ可能なこと、無線規格変更のリスクなしに装置を早期に製品化して市場に投入できることなど大きなメリットがある。

 このような使いやすさに加えて、TIではすぐに使えるプロトコル・スタック、TI RTOS、Eclipseベースの統合開発環境Code Composer Studio™やSensor Controller Studioなどの便利なツール群に加えて、オンライン・トレーニングやE2E™コミュニティによるサポート(英語)、低価格で使いやすい開発キット、複数のリファレンス・デザイン、クラウドへの接続を簡単にするTI IoTクラウド・エコシステムなど、ユーザーの開発を加速する充実した環境を提供している。

 このSimpleLinkプラットフォームによって、IoT市場に新規参入しようとしているユーザーやRF設計の経験が乏しいユーザーでも、自分のアイデアを盛り込んだIoTデバイスを短期間で製品化できるようになった。

低消費電力のSimpleLinkプラットフォームによってIoTアプリケーションとの接続を簡素化できる (クリックで拡大)

 現在大きな注目を集めているIoTの大きな市場には、健康&フィットネス、一般家庭のライティング/HA、小売業の店舗内サービス、都市のエネルギー/インフラ、産業のオートメーションなどがある。TIでは、これらの市場に合わせて最適化した製品を次々に投入していく計画だという。

CC2640、CC2630、CC2650の3製品を発売

 最初に発売されたのは2.4GHzのPHY&MACを搭載したCC26xxファミリの3製品、CC2640CC2630CC2650だ。

SimpleLink ULP プラットフォームによる第1弾製品「CC26xxファミリ」。左からCC2640、CC2630、CC2650 (クリックで拡大)

 CC2640はBluetooth low energy対応の2.4GHz製品で、ウェアラブル健康機器や医療機器、玩具や携帯アクセサリ、ビーコンや店舗用機器、産業用オートメーション機器などさまざまなBluetooth Smart機器向けとして発売された。7mm角パッケージは量産供給中で、1000個受注時の単価は3ドル(参考価格)。5mm角および4mm角もサンプル供給を行っている。

 CC2630はZigBee6LoWPAN対応の2.4GHz製品で、照明機器、セキュリティ機器や各種HA機器、RFタグ、センサネットワークなど家庭内から都市インフラまで幅広く活用できる。7mm角パッケージは量産供給中で、1000個受注時の単価は5.10ドル(参考価格)。5mm角および4mm角もサンプル供給を行っている。

 CC2650は、Bluetooth low energy、ZigBee、6LoWPAN、ZigBee RF4CE™対応の2.4GHz製品で、CC2640、CC2630、CC2620(開発中)のスーパーセットとなっている。これらの製品の開発は、CC2650を用いて共通に行うことができる。また、複数無線規格をサポートする柔軟なIoT装置を実現できる。

開発キットも充実

 さらに、CC2650を用いたCC26xxファミリの開発キットとしてCC2650DKCC2650EMKCC2650STKがTI storeおよびTIの特約販売店で発売されている。CC2650DKはBluetooth low energy、ZigBee、6LoWPANに対応した基本開発キットで、CC2640、CC2630もこれで開発可能。CC2650EMKはノード追加用のCC2650評価モジュールだ。CC2650STK(SensorTagキット)は、CC2650と10個のセンサを搭載したセンサ・タグで、スマートフォンと接続して開発およびデモに使用できる。iOS向けとAndroid向けの無償アプリを提供、3分以内のクラウド接続が可能で、購入してすぐに使用可能だ。今後は、より低価格で手軽な開発キットとして、LaunchPadやプラグ・イン・モジュールのBoosterPackも提供予定だ。

 このように、TIでは比類ない超低消費電力と柔軟な複数無線規格対応でIoTの新しい世界を切り拓くSimpleLinkワイヤレス・マイコン・プラットフォームを強力に推進していく。

※SimpleLinkおよびCode Composure StudioはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。



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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年4月15日

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