もちろん、現在は、動物/昆虫をコントロールする目的は(監視ではなく)「人命救助」とされているが、資金は相変わらず政府から拠出されている。今回のプロジェクトでは、米国の国立科学財団、シンガポールのNanyang Assistant Professorship、シンガポール国防軍の総長が率いるAgency for Science, Technology and Research(A*STAR)が資金を提供している。
ハナムグリの飛行を遠隔からコントロールする際、鍵となったのは、細かい旋回を制御する筋肉を確認することだった。研究チームは、ハナムグリの自然な飛行パターンと、旋回に使われる筋肉への電気刺激をモニタリングすべく、超小型モジュールを開発した。その過程において、「筋肉は、飛翔した後に羽を折り畳むために使われる」という、1800年代以降変わらなかった昆虫学の“常識”を覆すこととなった。研究チームは、ハナムグリの飛行をモニタリングすることで、筋肉が羽の折り畳みだけでなく旋回もコントロールしていることを明らかにしたのだ。
研究チームは、他の昆虫についても、同じように筋肉の動きをモニタリングし、筋肉の働きの解明に取り組むという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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