NECは、IoT(モノのインターネット)機器の特性や状況に合わせて、ネットワークシステムと機器間の制御信号を削減できる通信技術を開発した。制御信号数を従来の1/10に低減することができ、ネットワークの負荷を抑えた信頼性の高いモバイルネットワークを実現することが可能になる。
NECは2015年4月、IoT(モノのインターネット)機器の特性や状況に合わせて、ネットワークシステムと機器間の制御信号を削減できる通信技術を開発したと発表した。これにより、制御信号数を従来の1/10に低減することができ、ネットワークの負荷を抑えた信頼性の高いモバイルネットワークを実現することが可能となった。
これまでのモバイルネットワークシステムは、携帯端末はもとよりIoT機器との間で通信や移動管理を行うため、一律に制御信号の送受信を頻繁に繰り返している。ところが、IoT機器では、スマートメーターや各種センサーのように、間欠的に送受信を行う端末機器や、エリア間を継続的に高速移動する自動車など、用途によってその通信間隔は異なっているのが実情だ。
NECが開発した通信技術は、通信事業者のモバイルネットワークと、各IoT機器間の制御信号を最適に制御することで、頻繁に行っていた制御信号数を削減する技術である。具体的には、各IoT機器の通信や移動の特性を把握して、その通信接続状態や位置に応じた制御を行う。これによって、IoT機器との発着信時に生じる不要な制御信号を大幅に削減することが可能となった。開発した技術をシミュレーションで評価した結果、IoT機器に関わる制御信号数を従来の約1/10に削減できることが分かった。
今回開発した技術は、モバイルネットワークの標準化団体である3GPPにおいて、最新規格である4G LTE-Advancedの拡張機能を規定する「3GPPリリース12」の標準規格に採用された。
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