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IGZOを超える「有機半導体」、分子設計からトランジスタまで日本発の新技術移動度10cm2/Vsを実現(2/5 ページ)

» 2015年04月10日 18時00分 公開
[畑陽一郎EE Times Japan]

トランジスタの性能を確認

 開発した有機半導体材料について触れる前に、試作したボトムゲート・ボトムコンタクト型電界効果トランジスタの性能を示す(図2)。

 試作品では性能を測定するため、シリコン基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を置き、ソース電極とドレイン電極は金を利用した。スピンコート法を用いて薄膜を形成、120℃で5分の加熱を施した(図3)。

図2 試作したトランジスタの外観、右は比較のために置いた1円玉
図3 試作したトランジスタの構造 出典:東京工業大学

 「有機半導体は電極の金属の仕事関数との関係で、p型にもn型にもなる。今回は金電極を利用したため、p型として働く」(半那氏)。試作したトランジスタはゲート長、チャネル幅とも100μmだ。

 トランジスタの特性を以下に示す。図4左はゲート電圧に応じた静特性だ。遮断領域、線形領域、飽和領域が見えている。図4右はゲート電圧とドレイン電流の関係を示す。

図4 トランジスタの特性(1) 出典:東京工業大学、Nature Communications

 図5左はゲート電圧とドレイン電流の関係だ。20回の繰り返し後に特性が変化していないことを示す。図5右はヒステリシスがないことを示す。

図5 トランジスタの特性(2) 出典:東京工業大学、Nature Communications

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