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» 2015年05月08日 13時40分 UPDATE

無線通信技術:フィリピンの無料インターネット接続、NICTのTVホワイトスペース技術を採用

情報通信研究機構(以下、NICT)は、フィリピン科学技術省情報通信技術局(ICTO)との間で、NICTが開発したTV放送帯ホワイトスペースの有効利用に必要な周波数管理技術をICTOに提供する契約を結んだ。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

 情報通信研究機構(以下、NICT)は2015年5月、フィリピン科学技術省情報通信技術局(ICTO)との間で、NICTが開発したTV放送帯ホワイトスペースの有効利用に必要な周波数管理技術をICTOに提供する契約を結んだ。ICTOは今後、同技術をベースとしてフィリピン全域で無料のWi-Fiインターネット接続を可能とするインフラ整備を行う。

 ICTOは、政府機関や公園、病院、公立学校、空港、港湾、駅などフィリピン全域の公共スペースにおいて、無料でWi-Fiインターネット接続を可能とするインフラ整備を計画している。ICTOは、「Free Wi-Fi Project」と呼ぶこのプロジェクトを実現する技術の1つとして、TV放送帯のホワイトスペース技術に注目しており、2015年3月にNICTと覚書を交わして、NICTが開発した技術の導入を検討してきた。

 ホワイトスペースとは、放送などの目的で割り当てられた周波数帯の中で、本来のシステムで利用されてない場合や、本来のシステムに及ぼす影響が極めて小さい場合に、通信など他の目的で2次的に用いることが認められた周波数帯である。ただし、ホワイトスペースを活利用するに当たっては、地域ごとに利用可能な周波数であるかどうかを分析し管理するための技術「ホワイトスペースデータベース」(以下、データベース)が必要となる。

 ICTOが利用するデータベースには、ICTOが提供したフィリピン全域のTV放送送信所の情報が登録されている。この位置情報と地形情報に基づいて放送エリアを算出し、指定した地点において通信に利用可能なチャネルの一覧を作成することが可能となる。

tm_150508nict01.jpg ホワイトスペースデータベースの検索画面例。図はフィリピン・セブ島における31チャネルのTV放送エリアを赤い線で示している (クリックで拡大) 出典:NICT

 将来的には、TVホワイトスペースを利用する通信システムが、位置情報をデータベースに送信して運用可能なチャネルをデータベースから通信システムへ自動的に送信することで、継続運用することも可能となる。なお、フィリピンでは2015年2月より地上デジタル方式(ISDB-T)によるデジタルTV放送サービス始まっている。このため、今回のデータベースにおける放送エリアの計算方式は日本と同じ方式を採用した。

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