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» 2015年05月27日 11時00分 UPDATE

無線通信技術:地下街などの通信混雑解消に向けて――ホワイトスペース対応基地局を小型、軽量化

情報通信研究機構(NICT)は2015年5月、テレビ放送目的で割り当てられている周波数帯の空きスペースであるテレビホワイトスペースでの利用を想定したLTE対応の小型基地局(フェムトセル)を開発した。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク研究所は2015年5月、テレビ放送目的で割り当てられている周波数帯の空きスペースであるテレビホワイトスペースでの利用を想定したLTE対応の小型基地局(フェムトセル)を開発した。小型、軽量の基地局のため、設置が簡単に行え、通信利用が集中する場所などで効率的に通信品質の向上が図れる見込み。

テレビ用周波数を通信に

 テレビホワイトスペースは、本来、テレビ放送用に割り当てられている周波数帯のうち、利用されていない周波数や、テレビ放送に与える影響が小さい周波数を通信などを他の目的で使用する周波数帯(470MHz〜710MHz)を指す。このテレビホワイトスペースをモバイル通信に利用することで、モバイル通信のトラフィック負荷分散や通信速度の向上が期待できる。

 NICTは、ホワイトスペースでのLTE通信に対応したスマートフォン*)や基地局を開発してきた。

*)関連記事:TVの空き周波数で通信するスマホを開発

地下街、ホール、会議室など

 今回、基地局を壁掛け設置できるように小型、軽量化。サイズは、228×283×57mmで、重さは2.5kg。インターネット用イーサネットケーブルと電源を接続するだけで設置できる。これにより、地下街やイベントホール、会議室など多くの人が集まり通信トラフィックが集中しやすい場所に限定して効率的に基地局を設置できるという。

tt150527NICT001.jpg 今回開発したホワイトスペース対応LTEフェムトセル基地局 (クリックで拡大) 出典:NICT

 開発したフェムトセルは、端末が基地局への接続をシームレスに切り替えて利用するためのハンドオーバー機能を搭載しているため、個々の基地局の送信出力を最適化できる。

国内外で実証実験へ

 NICTでは開発済みのホワイトスペース対応スマートフォンなどと組み合わせ、国内外でさまざまな利用シーンを想定した実証実験を行う方針。「ホワイトスペースにおける移動通信の利用には、テレビ放送への干渉を確実に回避するホワイトスペース判定技術の確立が必要。今後、技術基準および制度設計に資する情報として試験結果を提供していく予定」(NICT)としている。

 なおNICTでは、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2015」(2015年5月27〜29日/東京ビッグサイト)で開発したフェムトセルの展示を行っている。

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