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壊れにくい抵抗器、小さいディスクリート――独自色打ち出し、国内車載市場へ浸透へビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)

» 2015年06月09日 11時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]
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壊れにくい部品でさらに

 性能、品質面でも独自性を追求している。

 例えば、抵抗器のサージ(ACパルス)耐性だ。薄膜、厚膜、MELF型と各抵抗器で基本性能としてサージ耐性を高めている。「厚膜抵抗器であれば、他社の薄膜抵抗器と同等以上の、薄膜抵抗器でも他社品より2倍程度のサージ耐性を備えている」と主張する。


左=サージ耐量の比較グラフ / 中央=「TECHNO-FRONTIER 2015」では、サージ発生させる装置を使い実際に各種抵抗器のサージ耐量を測定するデモを実施 / 右=1000Ωの厚膜抵抗器「CRCW0805」に最大50Wの電力を掛けた後の抵抗測定結果。999Ωの抵抗値を示し、壊れていない (クリックで拡大)

 品質面では、あらゆる製品で、車載を前提にした設計、製造を実施。一部のメーカーでは、生産したデバイスから選別して、車載向け製品として出荷するケースもあるが、ビシェイではそうした選別は実施していない。

 また徹底したテストを行い高いレベルでの品質確保を目指す。その1例が、MOSFETのアバランシェ試験だ。同試験は、定格以上の電力が入力されても、一定程度、デバイスが破壊されないことを確認するもの。一種のストレステストであり、テスト法を間違えれば、デバイスを劣化させてしまう恐れがある。そうした中で、ビシェイは、出荷するMOSFET全数に対し、同テストを実施。「デバイスが劣化しない最良のテスト条件で試験するため、アバランシェ耐量を持つ高信頼のデバイス提供が実現できている」という。

ティア2、ティア3へ

 ビシェイ・ジャパンでは、こうした独自性を発揮することで、ティア1サプライヤを中心に国内車載市場で販売実績を残してきた。「ティア2、ティア3といった層では、ビシェイの製品の認知度はまだまだ」とし、今後はより深く国内車載市場への浸透を目指す方針だ。

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