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焦りは禁物、でも大胆に――ルネサスの成長を託された遠藤新会長が会見M&Aで競合に先を越され続けているけれど(2/3 ページ)

» 2015年06月24日 18時05分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

問われる経営手腕

 業界再編が進む半導体業界について遠藤氏は、日本IBM、日本オラクルとIT/ソフトウェア業界で従事してきた自身の経験を持ちだしながら「再編は起こり得る話であり、半導体メーカーは多すぎる状態でそれが淘汰(とうた)、合従連衡されていくのは、当たり前。IT業界でも起こったことで、不思議なことではない」とした。

遠藤隆雄氏

 その上で、「われわれのコア領域、コア技術がどこか軸をハッキリとさせ、どこの部分、どこの市場が欠けているか分析していきたい。同じモノを足し合わせるのも1つの手だが、弱い部分、弱い市場を補完する足し算ができる会社が(合従連衡の)ターゲットになるだろう。ただ、残念ながらキャッシュもあるわけではないので、大胆な手は打てないが、いずれ、どこかのタイミングで(企業買収などの)投資戦略を考えていきたい。ただ、(投資先候補が)どんどん買収されていっている状況で、そのうち無くなってしまうのではないかと焦りもある。だが焦りは禁物で、慎重かつ大胆に進めていく」と語った。

とんがった“5つのコア技術”を強化

 コア技術、注力アプリケーションなどについては、これまでの方針を踏襲。コア技術としては、「機能安全」「セキュリティ」「センシング」「ローパワー」「コネクティビティ」の5つ。遠藤氏は「他社がまねできないとんがったモノがないと勝てない。この5つのコア技術を、戦略的に、大胆に強化していく」とした。注力アプリケーションとしては、自動車、産業/家電、OA/ICTを掲げた。

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