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迎える「IoT」時代、インテルは何を見据えるのかムーアの法則から50周年(1/3 ページ)

インテルは2015年6月、「IoT ソリューション・カンファレンス」を開催した。基調講演やデモ展示を通して、インテルが取り組んでいるIoT事業について紹介。「多くの会社と協業していくことで、IoTの未来を日本で実現したい」と社長の江田麻季子氏は語った。

» 2015年06月26日 14時00分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 ムーアの法則が提唱されてから50年――半導体業界にとって記念すべき年を迎えている。「IoT」(モノのインターネット)が盛んに話題になり、ウェアラブルデバイスが登場し、家電がネットワークがつながるスマートホームの普及が進むなど、エレクトロニクス業界にも大きな変化が訪れている。

 インテルは2015年6月、「IoT ソリューション・カンファレンス」を東京・御茶ノ水で開催した。基調講演やデモ展示を通して、現在取り組むIoT事業について紹介した。

500億の機器がネットワークに接続へ

 基調講演では、インテル エンベッデッド・セールス・グループ IoT パートナー・イネーブルメント ディレクターの佐藤有紀子氏がIoTの可能性について語った。

 2020年、全てのデバイス/センサーはデータセンターやクラウドにつながる時代を迎える。その数は500億台。2015年の150億台から3倍以上増える見込みだ。従来の組み込み機器がインターネットへの接続、優れたコンピューティング性能、意味のあるアナリティクス(分析)を得ることによって、より進化した形で価値を提供できるという。

 IoT市場は2015年に世界で220〜250億米ドルになるとみている。ソフトウェアやデータセンターは含まれていない、組み込み機器を中心としたデータから生まれる市場規模だ。分野としては交通/自動車、スマートホーム、産業エネルギー/リテールの3つが中心になるという。

2020年のデータ量は44ゼタバイト(1021)にのぼるという (クリックで拡大)

 同社は2014年12月、IoTのレファレンスデザインを発表している。エッジデバイスからデータセンター、アナリティクスまでのエンドツーエンドのソリューションのためのものだ。「このプラットフォームを使用することで、顧客やパートナーの方々がより短期間でシステムの開発が行えるようになる」と佐藤氏は語る。

 産業用のゲートウェイにも同社は力を入れている。従来のWind River製OSに加え、ubuntuやMicrosoft製OSといった新しいサポートを開始。シリコンに関しても、これまでの「Atomプロセッサ」ベースに加えて、「Coreプロセッサ」ベースのサポートも開始した。こうしたOSやシリコンのロードマップの追加により、応用範囲を広げる考えだ。

 2015年4月にはSoC「インテル Atom x3」を新たに提供している。これまでスマートフォンやタブレット向けに提供してきた「Atom」シリーズを、より長期の供給を可能にし、温度の拡張性のあるIoT製品向けにした。

注力するIoTゲートウェイ (クリックで拡大)
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