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60P/120P映像を同時伝送、NTTがHEVCソフトウェアエンコードエンジン開発先端技術 NTT(1/2 ページ)

NTTは、高精細映像の60P/120P同時伝送に対応可能なH.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)ソフトウェアエンコードエンジンを開発した。将来的に120P映像が配信されても、現行の60P対応TV受像機で映像の視聴が可能になるという。

» 2015年07月03日 15時00分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 NTTは2015年7月、高精細映像の60P/120P同時伝送に対応可能なH.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)ソフトウェアエンコードエンジンを開発したと発表した。また、NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は、同技術を組み込んだHEVCソフトウェアコーデック開発キット「HEVC-1000 SDK」と、ファイルコンバートソフトウェア「RealFeel FileCovert 4K」の販売を2015年7月末より開始する。

 今回NTTが開発したHEVCソフトウェアエンコードエンジンは、4K映像配信サービスなどに用いられている60フレーム/秒の映像と、4K/8K映像配信サービスで検討されている120フレーム/秒の映像を、同時に伝送することが可能となる技術である。

 開発した技術で符号化を行うと、将来120フレーム/秒の映像配信が本格的に開始された場合でも、現行のTV受信機で60フレーム/秒の映像として視聴することが可能となり、進化する高精細映像への移行をスムーズに行うことができるという。しかも、新開発の高圧縮技術を採用することで、これまでと同等画質であれば、データ量を約40%も削減することが可能となった。これは、蓄積コストの節減につながるとみている。

 今回開発した技術は主に2つある。1つは、「時間方向階層符号化」の技術である。電波産業会(ARIB)で規定された時間方向階層符号化では、120フレーム/秒の映像の中から、部分的にフレームを取り出せるように符号化する。この時、各フレームを分析し符号量を推定するが、NTTでは各フレームの要素を分解して分析することで符号量の推定精度を高めた。これにより、効率的に符号量を割り当てることが可能になったという。

符号量の推定精度を向上させ、効率的に符号量を割り当てることで、安定した画質を実現することが可能となった (クリックで拡大) 出典:NTT
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