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» 2015年08月24日 00時00分 UPDATE

オン・セミコンダクター 副社長 David Somo氏:業界屈指の“広範な製品群”と技術力の拡大を武器に車載/産業IoTで成長目指す

オン・セミコンダクター(ON Semiconductor)は、戦略的企業/事業買収を重ねディスクリート/汎用ロジックからイメージセンサ、SoCに至るまでの広範な製品群を構築した。「業界屈指」というこの広範な製品群を強みに、今後成長が見込まれる車載、産業機器分野での事業展開をさらに強化する方針。「市場平均を上回る成長を遂げる」との目標を口にする同社コーポレートストラテジ&マーケティング担当副社長のDavid Somo氏に同社の技術/製品戦略などについて聞いた。

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成長市場に注力し平均を上回る

――最近のビジネスの概況を教えてください。

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David Somo氏 直近の年間売上高は約35億米ドルで、半導体メーカーとして世界で上位20位以内の規模にあります。このほど発表した2015年4〜6月期売上高も8億8000万米ドルと堅調に推移しています。

 世界経済を見ますと、欧米、日本といった先進国地域は緩やかな成長が継続する一方で、これまで高い成長率を誇ってきた中国など新興地域で成長の鈍化が目立ってきています。新興地域の成長の鈍化は今後も、しばらく続く見通しであり、エレクトロニクス業界にもマイナスの影響を与えると考えています。

 しかし、そうした中でも、当社、オン・セミコンダクターは、市場平均を上回る成長を遂げることを目標に掲げ、成長率の高い用途分野に重点を置いた事業戦略を敷いています。

ターゲットは「車載」「産業」「通信」

――高い成長が見込める分野とは?

Somo氏 車載、産業機器、ワイヤレスを中心とした通信機器の3分野です。いずれも、最終製品の出荷数量の増加が見込めるとともに、1台当たりの半導体使用量も増える分野です。

 既に数年前から、この成長3分野に重点を置いており、現状、売上高に占める3分野の割合は75%程度に達しています。コンピューティング分野やコンシューマ分野向けのビジネスも継続、強化していきますが、3つの成長分野が投資の主な対象になります。

tt13050824ONS002.jpg オン・セミコンダクターが注力する3つの成長分野

――投資と言えば、これまで積極的に企業/事業買収をされてきました。2014年には、イメージセンサ大手のアプティナ、トゥルーセンスの2社を買収、統合されました。

Somo氏 顧客のあらゆるシステム要件に応える製品ポートフォリオを構築するために戦略的な買収を実施してきました。その結果、ディスクリート/汎用ロジックから、ASIC/ASSP、SoCに至るまでの業界でも数少ない広範な製品ポートフォリオをそろえるメーカーとなりました。特にアプティナの統合により、車載向けイメージセンサ市場では、世界で46%のシェアを獲得するまでに至るなど、広範で強い製品群がそろいました。

 今後も、顧客ニーズに応えるために、自社内での製品/技術開発はもとより、戦略的な事業買収は継続して、検討、実施していきます。ただ、これまでの事業買収は、どちらかと言えば、事業規模を補う要素が強くありましたが、今後はテクノロジーを補完する意味合いの事業買収が多くなっていくと考えています。

事業機会を増やした“強い車載向けイメージセンサ”

――イメージセンサでも高いシェアを持つようになった車載ビジネスですが、現在、どのアプリケーションに注目されていますか。

Somo氏 ボディ&インテリア、ライティング、電源&コネクティビティ、アクティブセーフティ/ADAS(先進運転支援システム)、パワートレインの5つの領域にフォーカスしています。いずれも、新たなニーズが生まれている領域で、当社の製品ポートフォリオで広くカバーできるビジネスチャンスの大きな領域だと捉えています。

tt13050824ONS003.jpg フォーカスする車載アプリケーション (クリックで拡大)

 例えば、ボディ&インテリアやライティングなどの領域では、モータ制御へのニーズが高まっています。現状、高級車で搭載されるモータ数は、60〜80個程度ですが、これが5年後には120個程度にまで増えると予想されています。座席の自動調整システムや、周囲の状況に応じて照らす位置を変えるアドバンスドライティングシステムなどで新たにモータが必要になるためです。

――これから登場、普及していく新たな車載アプリケーションに注目されているわけですね。

Somo氏 はい。新しいアプリケーションは、よりインテリジェントな機能を搭載していくので、当社にとっては、より大きなビジネスチャンスがあると考えます。

 既に欧州の自動車メーカーで実現されているアドバンスドフロントライティングシステムに対し、18種類の当社製品を供給しています。LEDドライバIC、パワーマネジメントIC、モータ制御IC、コネクティビティICなどです。そして、前方の物体認識用として、イメージセンサもこの中に含まれます。

tt13050824ONS004.jpg アドバンスドフロントライティングシステム向けソリューションの一例 (クリックで拡大)

 アドバンスドフロントライティングシステムなどさまざまなアクティブセーフティ/ADASの登場で、クルマに搭載されるイメージセンサ数は、今後さらに増えていきます。2020年には約20個のイメージセンサが高級車に搭載されるとも言われています。しかも、そうしたアクティブセーフティ/ADASではイメージセンサは、モータ制御と並んでキーになる技術であり、当社の強みとして、さらに強化していく方針です。

スマートパッシブセンサ

――車載分野ではイメージセンサ以外にもさまざまなセンサの搭載が進んでいます。

Somo氏 当社もさまざまなセンサデバイスのラインアップを整えています。新たなセンサソリューションの1つが、「スマートパッシブセンサ」です。

 このセンサは、一言で言えば、インテリジェントなRFIDタグです。旧来のRFIDタグの中に、温度/湿度/圧力/近接センサが搭載されているのです。RFIDタグですので、アンテナからの給電だけで動作し、従来のRFIDタグ用リーダーも使用できる利点もあります。既に車載対応の製品も量産中で、車内の水漏れ検知用途で使用されています。その他にもタイヤ空気圧センサや、シートでの人/物体検知センサなどの用途での採用が見込まれています。

tt13050824ONS005.jpg 「スマートパッシブセンサ」の概要 (クリックで拡大)

 その他、送電/受電双方で製品を用意している無線給電ソリューションも車載分野での採用拡大を期待しているところです。

産業IoTの全てをカバーする

――産業分野に対してはいかがですか。

Somo氏 もともと、パワーマネジメントICメーカーである当社は、高耐圧から低耐圧まであらゆる産業機器に対応できるパワーマネジメント製品を持ち、継続的に強化しています。

 さらに昨今は、この広範なパワーマネジメントICに、センサやマイコンを組み合わせて、今後普及拡大が見込まれる産業IoT(モノのインターネット)向けソリューションを構築しています。産業IoT分野も、クルマのADASなどと同様、インテリジェントな機能を求める領域であり、当社にとってビジネス機会が多い領域と判断し、強化を行っているわけです。

 強化の結果、産業用IoTの構成要素のほぼ全てをカバーするまでの製品ポートフォリオを実現しました。

――もう少し具体的に、産業用IoT向け製品について教えてください。

Somo氏 IoTの構成要素は、「検知」「接続」「制御」「電源」の大きく4つに分類されます。ご存じの通り、電源については、もともと広く、強い製品を備えています。

 「検知」では、新たなセンサも幾つか開発中ですが、既にCCD/CMOSの両方式をカバーするイメージセンサやスマートパッシブセンサなどが競争力のある製品がそろっています。

 制御は、モータ制御ICの他、これまでもASIC、カスタムSoCとして提供してきたマイコンがあります。

tt13050824ONS006.jpg オン・セミコンダクターが提供する産業IoT向け製品の構成。図中、赤く記された部分は、提携パートナーから提供される要素 (クリックで拡大)

――接続、コネクティビティについては、いかがですか。

Somo氏 ZigBeeなど2.4GHz帯を使用するIEEE802.15.4対応無線デバイスを提供しています。多くのデバイスが1.8V駆動の中で、当社製品は1.0Vの低電圧動作を特長にし、環境発電などわずかな電力でも、ワイヤレスセンサ端末を動作させられる超低消費電力性能を持っています。

 さらに、このほど、サブギガヘルツ無線技術を持つスイスの企業「AXSEM」を買収しました。冒頭、申し上げたように、テクノロジー重視の戦略的買収事案の1つです。その他にも、社内でBluetooth Low Energyに対応するデバイスの開発も進め、対応規格の幅を増やしているところです。

 また、Wi-FiやNFCなどの一部通信規格では、パートナーと連携してソリューションを提供できる体制を構築しており、接続/コネクティビティについても、あらゆるシステム要件に応えられる体制になっています。

マシンビジョン分野でも攻勢

――産業用IoTの応用範囲は広いですね。

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Somo氏 オン・セミコンダクターでは、産業用IoTの中でも、セキュリティ/監視、スマートホーム/ビル、産業オートメーションの用途に焦点を当てています。

 セキュリティ、監視カメラは、強力なイメージセンサ製品群をベースに、アナログ製品群の採用拡大を狙う方針です。スマートホーム/スマートビルについては、先ほどお話した通り、コネクティビティの対応領域を広げて、センサ、パワーマネジメントなど総合的なソリューションの提供を目指していきます。

 産業オートメーションについては、マシンビジョン向けイメージセンサで世界シェア2位のポジションにあり、既に実績あるPOS端末やバーコードリーダーに加え、ドローンなど新しいアプリにもアプローチしていく方針です。

国内のサポート体制がさらに充実

――広範な製品を扱う上で、技術サポートも重要になりますね。

Somo氏 日本国内においてこのほど、ハード/ソフト双方のカスタマイズを担当するシステムエンジニアリングセンター(SEC)の拡充を実施しました。それ以外にも、2011年に買収した旧三洋半導体の事業を継承し、日本に本拠を置く「システム・ソリューションズ・グループ」(SSG)の技術リソースを活用し、当社全製品の故障解析サポートなどを提供できる体制も構築できています。

 今後も広範な製品ポートフォリオをより充実させていくと同時に、技術サポート体制の強化も継続的に行っていきます。


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提供:オン・セミコンダクター株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年9月30日

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