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» 2015年08月28日 09時30分 UPDATE

SEMICON West 2015リポート(6):ASMLがEUVリソグラフィ開発の最新状況を公表(3)〜EUV露光装置の開発史 (1/2)

今回は、EUV(極端紫外線)露光装置の開発の歴史を振り返ってみたい。ASMLが顧客向けに初めてEUV露光装置を出荷したのは2006年のことである。その後の約10年で、光源の出力やスループットはどのくらい向上しているのだろうか。

[福田昭,EE Times Japan]

ASMLにおけるEUV露光装置開発の歴史

 前々回から、半導体露光装置の最大手ベンダーASMLによる、EUVリソグラフィ開発の最新状況に関する講演の概要をご報告している。講演者はASMLのMike Lercel氏、講演タイトルは「Industrialization of EUV Lithography: Progress Update」である。

 前回では、EUVリソグラフィ開発の進ちょく状況を概観した。EUV露光装置(NXE:3300B)のスループットは1時間当たりで40枚に達した。ArF液浸露光装置の量産水準である1時間当たり125枚には及ばないものの、徐々に上がってきている。EUV露光装置(NXE:3300B)の解像力は、7nm世代に相当する配線パターンを解像可能な水準に高まった。

 ここで講演にはなかった情報を少し、補足したい。ASMLにおけるEUV露光装置開発の歴史を簡単に振り返ろう。ASMLが顧客(半導体メーカーやシリコン・ファウンドリ、半導体製造技術の研究開発組織など)向けに初めて、EUV露光装置を出荷したのは2006年のことだ。このEUV露光装置「ADT(Alpha Demo Tool)」は、露光領域が26mm×24mmと通常の量産用露光装置並みに広く、直径300mmのシリコン・ウエハーを扱える初めてのEUVスキャナだった。現在ではADTは、第1世代のEUV露光装置と位置付けられている。

 第2世代のEUV露光装置は2010年に出荷が始まった。型名は「NXE:3100」である。第1世代のADTがEUVリソグラフィの可能性を探る装置であり、光源の出力は1W未満ときわめて低く、スループットは無きに等しかった。これに対して「NXE:3100」は、光源の出力は最大10Wと大幅に向上したため、スループットはまだ低いものの、研究開発がかなり容易な水準に達した。露光領域は26mm×33mmに拡大した。

 そして2013年に出荷が始まったのが、第3世代のEUV露光装置「NXE:3300B」である。「NXE:3300B」は、光学系の開口率(NA)をNXE:3100までの0.25から、0.33に高めた。この結果、解像度が向上した。またEUV光源の出力を目標仕様で100W(実際に出ている出力は40W〜80W)と拡大し、スループットを高めた。

 第3世代機であるNXE:3300Bは、いくつかの顧客で稼働しており、EUVリソグラフィの開発に利用されている。顧客による研究開発の成果が前回のリポートを含め、講演者のLercel氏によって示された。

 最新世代すなわち第4世代のEUV露光装置は今年(2015年)の第3四半期に、出荷が始まる。型名は「NXE:3350B」である。前回のリポートでも述べたように、4台の注文を受けている。

photo ASMLが開発してきた主なEUV露光装置。第3世代機までは、1世代ごとにスループットがおよそ10倍に向上していることが分かる
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