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シャープペンの芯より薄い30V耐圧レギュレータ次世代ICカード向け

トレックス・セミコンダクターは、薄さ0.315mmの30V耐圧レギュレータを製品化した。

» 2015年09月02日 13時10分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 トレックス・セミコンダクターは2015年9月、30V耐圧レギュレータとして高さ0.315mmの低背パッケージ製品を追加したと発表した。ディスプレイやリチウムイオン電池を搭載するような次世代型の高機能ICカード(スマートカード)用途を狙う。

 ICカードは、国際規格「ISO/IEC 7810」により、サイズが54.98×85.60×0.760mmと定められている。その一方で、ICカードの高機能化が進展。昨今ではディスプレイやリチウムイオン電池を搭載したICカードも登場しつつある。

スマートカードのイメージ(左)と構造図 (クリックで拡大) 出典:トレックス・セミコンダクター

薄い高耐圧レギュレータ

 そうした中で、ICカード向けの電圧レギュレータやバッテリーチャージャーICといった電源ICの高性能化も進む見通しだ。具体的には、ICカードに搭載されるバッテリーは、容量が小さいために、低消費電力化が求められる。さらに、無接点充電時には18Vを上回る高い電圧でも動作する電源ICが必要になっている。こうした要件を、規格で定められている0.760mmのカード厚で実現する必要があり、強度補強板やフレキシブル基板の厚みを考慮すると電源ICとしては高さを0.4mm以下に抑えなければならない。

 今回トレックスが開発したレギュレータは、こうしたICカードでの要求を満たす製品として開発。入力電圧範囲2〜28Vの30V耐圧レギュレータ「XC6216シリーズ」に1.8×1.5×0.315mmサイズのパッケージ(USP-6B06)を適用した。トレックスでは「28V動作製品では、業界最薄クラス」とする。

開発したレギュレータ (クリックで拡大) 出典:トレックス・セミコンダクター

 スタンバイ電流は0.1μA以下、消費電流は5μAで消費電力ニーズにも対応。最大出力電流は150mA。出力電圧設定範囲は、2.0〜12.0V(0.1Vステップ)で、出力電圧精度は±2%となっている。サンプル価格は100円(税別)。

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