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次世代ADAS向け、2.3MのBSI型イメージセンサーLEDフリッカーを抑制、ASILレベルBに対応可能(1/2 ページ)

ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は、車載ADAS(先進運転支援システム)用途向けに、LEDフリッカー抑制(LFM)機能などを備えた2.3MピクセルCMOSイメージセンサー「AR0231AT」のサンプル出荷を始めた。

» 2015年10月21日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2015年10月、車載ADAS(先進運転支援システム)用途向けに、LEDフリッカー抑制(LFM)機能などを備えた2.3MピクセルCMOSイメージセンサー「AR0231AT」のサンプル出荷を始めた。機能安全規格の「ASILレベルB」にも対応可能な設計となっている。

 AR0231ATは、光学サイズが1/2.7インチで、独自のDR-Pix技術を用いた3.0μmピクセルサイズの裏面照射(BSI:Back Side Illumination)型CMOSイメージセンサー。画素数は1928×1208である。

AR0231ATの外観

 特長の1つはLFMモードをサポートしたことである。交通標識や自動車のブレーキランプなどにLED光源を採用するケースが増えている。目視ではLED光源のちらつきをほとんど検知できないが、CMOSイメージセンサーを搭載したカメラは、LEDフリッカーの影響により、交通標識などを正しく認識できない可能性がある。このため、LEDフリッカーを抑制するための工夫が必要となる。

 AR0231ATは、パルス状のLEDサインや光を取り込む際に、撮像素子の感度を電気的に制御することで、露光時間(インテグレーションタイム)を通常より長くすることが可能なLFMモードを搭載した。この機能により、LEDフリッカーの影響による映像のちらつきを除去することが可能となった。

LFMモードの効果。左は通常モード時のLED撮像画像、右はLFM機能を作動させた時の撮像画像 出典:オン・セミコンダクター

 また、HDR(ハイダイナミックレンジ)モードでは、1フレーム4重露光、3重露光、2重露光を選択することができ、4重露光によるHDR撮影時には、120dB以上のダイナミックレンジを実現することができる。なお、4重露光HDRを利用した場合は1928×1208画素で30fps、3重露光の場合は40fpsで映像を出力することができる。映像内に太陽など極めて明るい物体がある場合は、露光時間を通常より短くすることで、太陽のフレアを抑えるように工夫されている。

通常のリニアモード(左)とHDRモード(右)で撮影した映像の比較 出典:オン・セミコンダクター
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