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エプソン、ARM M0+コア搭載の新マイコンファミリウェアラブル向けに低消費電力を追求

セイコーエプソンは2015年10月26日、CPUコアに「ARM Cortex-M0+」を搭載した新しいフラッシュメモリ内蔵マイコンファミリ「S1C31」を発表した。

» 2015年10月26日 14時20分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

バッテリー寿命を最大2倍に

 セイコーエプソン(以下、エプソン)は2015年10月26日、CPUコアに「ARM Cortex-M0+」を搭載した新しいフラッシュメモリ内蔵マイコンファミリ「S1C31」を発表した。従来のエプソンオリジナルCPUコア搭載品よりも「バッテリー寿命を最大2倍に延ばせる」(同社)という第1弾製品「S1C31W74」のサンプル出荷を既に開始し、2016年7月から量産を行う予定としている。

32ビットフラッシュマイコン「S1C31W74」 32ビットフラッシュマイコン「S1C31W74」(VFBGA8HX-181品) (クリックで拡大)

 エプソンはこれまで、低消費電力を特長にしたオリジナルの16ビットCPUコアを用いたフラッシュメモリ内蔵マイコンを、モバイル機器を中心に展開してきた。今回、開発したフラッシュメモリ内蔵マイコンは、より低い消費電力が求められるウェアラブル機器への搭載も念頭に置いた製品群として位置付ける。

 CPUコアにはARMの32ビットCPUコアであるARM Cortex-M0+を採用。そこにエプソンの超低リークプロセス技術と回路技術を組み合わせて「高機能化と電池の長寿命化の両方で貢献する」というマイコンに仕上げた。

RTCモードで900nA

 同ファミリの第1弾製品となるS1C31W74は、RTCモードで消費電流900nA、動作時消費電流でも1MHz当たり150μAを達成し、従来のエプソンオリジナル32ビットCPUコアを搭載したマイコン(型番:S1C33L27)と比較して「バッテリー寿命を最大2倍に延ばせる」(同社)という低消費電力性能を実現。同社は「充電を必要としないスマートウォッチや長期間にわたり環境計測を行うIoT端末開発の実現に一歩近づくもの」とする。

 S1C31W74は、最大2304ドット表示の液晶ディスプレイを直接駆動できるLCDドライバーやUSB 2.0 FS(Full Speed)デバイスコントローラ、512Kバイトのフラッシュメモリ、128KバイトのRAMを搭載。動作保証電圧範囲は1.8〜3.6V。パッケージは、8mm角、高さ1mmのVFBGA8HX-181パッケージを採用した。サンプル価格は1200円(税別)。なお、パッケージ品以外にも、ベアチップでの提供も予定している。

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