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コイン電池で7万時間駆動するBluetooth用LSI待機時消費電流は0.3μA

ラピスセミコンダクタは2015年11月16日、コイン電池で約7万時間駆動を実現するBluetooth Smart用2.4GHz無線通信LSI「ML7125」を開発した。電池駆動時間は従来品よりも2.6倍ほど長いとする。

» 2015年11月16日 11時40分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 ラピスセミコンダクタは2015年11月16日、コイン電池で約7万時間駆動を実現するBluetooth Smart用2.4GHz無線通信LSI「ML7125」を開発したと発表した。最小加工寸法0.15μmのローパワーCMOSプロセスを使用することで、平均消費電流を従来比60%程度削減したという。既にサンプル出荷を開始し、2015年12月から量産を実施する計画。ウェアラブル機器での採用を見込む。

Bluetooth Smart用2.4GHz無線通信LSI「ML7125」

 ML7125は、0.15μm ローパワーCMOSプロセスの採用により、送受信時の消費電流を従来品(ML7105)の9mAから、5.8mAに低減。スリープ時の消費電流も従来の0.7μAから0.3μAへと削減した。さらに、アクティブ期間の最適化なども図り、動作時からスリープ時までを含めた平均消費電流を従来品比60%削減することに成功した。その結果、コイン電池「CR2032」(200mAh)を使い、2秒間隔の送受信動作をML7125に行わせた場合、駆動時間は「従来品の約2.6倍となる約7万時間」(ラピス)という。

新製品「ML7125」と従来品「ML7105」の消費電流比較。ピーク時、スタンバイ時の消費電流を抑えた上、動作時間を短縮し、総合的に電力消費を抑えている 出典:ラピスセミコンダクタ

 ML7125は、Bluetooth Core Spec v4.1に準拠する「ML7125-001」と、スレーブ通信専用の「ML7125-002」の2種がある。マスター/スレーブ通信に対応するML7125-001は、2系統の通信が同時に行える他、外部マイコンから同社独自インタフェース「BACI」経由で制御できる。スレーブ専用のML7125-002は、Beaconやシリアル通信向けに特化したファームウェアを搭載し、外部マイコンを使用せず、スレーブ端末を構成できる。

新製品2種「ML7125-001」(左)と「ML7125-002」の使用イメージ 出典:ラピスセミコンダクタ

 いずれの製品も、パッケージは3.12×4.69mmサイズの67ピンWLCSPを採用。電源電圧範囲は1.6〜3.6V。サンプル価格は700円となっている。また、開発環境としてWindows搭載PC上でBluetooth Smart準拠の2.4GHz帯無線通信を可能にするUSB評価キットも提供するという。

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