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増幅器やアンテナの設計機能を強化――AWRMWE 2015(2/2 ページ)

» 2015年12月02日 09時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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RFシステム向けスプリアス解析機能

 AWR Japanの説明員によると、最近引き合いが増えているのが、無線送信機/受信機を設計する際に使う高性能なスプリアス解析機能だという。「従来は、プロトタイプを作成してからスプリアスをチェックし、これらを除去するために設計し直す、という作業を繰り返していた。より素早くスプリアスを確認したいというニーズが増えてきた」(説明員)。AWR Japanが提供するスプリアス解析機能は、マウス操作およびキーボード操作の数を最小限に抑えていることが特長だ。ミキサー、フィルタ、アンプなど、データベースに保存されている各メーカーのパーツモデルを選択していくだけで、スプリアスの変化を確認できる。任意の周波数の干渉波を追加し、その干渉波を含めた時のスプリアス解析も行える。

スプリアス表示表示の切り替え 左=バンドパスフィルタ(BPF)にミキサーを追加した時のスプリアスが表示されている / 右=表示を切り替えればゲインやパワーレベルなども確認できる。これにより、例えば後段に接続するA/Dコンバータの入力電圧範囲に収まるようにパワーレベルを調節するといったことも可能だ(クリックで拡大)

フェーズドアレイアンテナの電磁界解析

 V12では、フェーズドアレイアンテナの電磁界解析機能も強化した。各アンテナの放射パターンは旧バージョンでも解析できたが、新バージョンでは、フェーズドアレイアンテナに搭載される、位相を合わせる回路も考慮して、より正確な放射パターンをシミュレーションできるようになっている。

フェーズドアレイアンテナの解析 位相を合わせる回路も考慮して、フェーズドアレイアンテナの放射パターンを解析できる(クリックで拡大)

「LabVIEW」と組み合わせたデモも披露

 NIのシステム開発ソフトウェア「LabVIEW」および測定器とV12を組み合わせたデモも展示した。AWR Japanの説明員は、NIのシステムと組み合わせる最大の利点は、AWRが提供する設計環境とNIが提供するテスト環境に、LabVIEWの同じ信号処理関数を使えるところだという。「信号処理関数を1つ作れば、それを設計とテストの2つの環境に応用できるので、投資効率が向上する。NIの計測器で測定した実測データをAWRの設計環境に取り込むこともできるので、開発効率も上がる」(説明員)。

デモの様子 NIの「LabVIEW」、測定器とV12を組み合わせたデモ。アンプの特性を測定し、その歪みを取るような信号処理をLabVIEWの関数を使って設計するイメージを示した(クリックで拡大)
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