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» 2015年12月18日 10時00分 UPDATE

組込み総合技術展/ET 2015リポート:インダストリー4.0に、IHヒーター、エナジーハーベスト! 組み込み分野で見えてきたサイプレスの強み

Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、高性能なMCUやPSoCプログラマブル システムオンチップ、消費電流が極めて小さい電源ICなどの技術力をベースに、重点分野と位置付ける「IoT」や「産業/FA」「車載」「民生機器」などに向けた最新ソリューションを提案する。

[PR/EE Times]
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 Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、「組込み総合技術展Embedded Technology 2015(ET2015)」で、同社が重点分野と位置付ける「IoT」や「産業/FA」「車載」「民生機器」などの用途に向けた最新の組み込みソリューションや新製品を紹介した。ここでは、インダストリー4.0の実現に向けた最新のマイクロコントローラ(MCU)や、タッチ検出機能を強化した最新PSoCファミリなどを中心に、同社ブースの様子を紹介する。

インダストリー4.0を支えるFM4ファミリ

 IoT(モノのインターネット)といえば民生分野のイメージが強いが、産業界でも製造業の革新を加速していくため、IoTを製造現場で活用する動きが本格化している。その代表的なものがドイツの「インダストリー4.0」を始めとする生産革新への取り組みである。

 ブースでは、ARM Cortex-M4コアベースのマイクロコントローラ「FM4」ファミリを用いて、インダストリー4.0を実現可能とするセキュアゲートウェイソリューションのデモ展示を行った。FM4ファミリとは別のPSoCで制御する2つのモータに加速度センサーを取り付け、モータ駆動時に発生する振動のデータを収集する。FM4ファミリの新製品「S6E2Cシリーズ」を搭載した評価用キットはIoTゲートウェイとして機能し、各ノードのセンシングデータをリアルタイムでクラウドサーバ/データセンターに送信する。

tm_151118cypress01.jpg FM4ファミリの新製品「S6E2Cシリーズ」を搭載した評価用キットはIoTゲートウェイとして機能し、中央部のモータに取り付けられた加速度センサーで振動のデータを収集し、リアルタイムでクラウドサーバ/データセンターに送信するデモの模様 (クリックで拡大)

tm_151118cypress01_01.jpg 組み込みデータベース「Empress」から取得したモータの振動グラフ。より直線的な波形が正常動作のモータの振動情報を示し、大きく振れている波形は不具合を抱え振動が大きくなっているモータからの情報だ

 評価用キットでは、異常な振動などをモニタリングするために組み込みデータベース「Empress」を活用している。これによって、「Microsoft Azure」などエンタープライズレベルのクラウドコンピューティングプラットフォームとの連携が容易となり、ゲートウェイとクラウド間で常時データを同期させることが可能だ。「仮にクラウドサーバが電源トラブルなどで一時的にシステムダウンしても、ローカル側のデータベースにセンシングデータは保存されている。これらを同期させることで、クラウド側でもデータが欠落することはない」。解析結果についてはタブレット端末などで振動の波形データなどを確認することができ、モータの動作状態について、正常か異常かを瞬時に判断することが可能となる。

tm_151118cypress02.jpg FM4ファミリを用いたセキュアゲートウェイソリューションのイメージ図 (クリックで拡大)

 FM4ファミリとして新たに3製品を追加した。最上位のS6E2Cシリーズは動作周波数が最大200MHzで、CoreMarkスコアは675を達成している。また、ハードウェアベースの暗号化アクセラレータの搭載やFlashとSRAMメモリのエラー訂正コード(ECC)サポート、「IEC 61508」や「IEC 60730」といった機能安全規格に準拠するためのファームウェアライブラリを統合している。CAN-FDやIEEE 1588イーサネットなどの高速通信インタフェースもサポートするなど、インダストリー4.0を実現するための機能・性能を備えた産業用途向けマイクロコントローラである。

1チップで2口のIHコンロを制御、検出感度も向上

 プログラマブルSoC「PSoC」については、参考出品の「PSoC 4L」を搭載したIHクッキングヒーターを展示した。現行の「PSoC 4M」に比べて、PSoC 4Lはフラッシュメモリの容量を128kバイトから256kバイトに増やし、I/O数は55個から98個へと増強した。このため、1チップで2口分の誘導コイル制御や、より多くの静電容量式ボタンの制御、温度調整を可能にした。PSoC 4Lは2016年3月末にサンプル出荷を始める予定である。

tm_151118cypress03.jpg 参考出品のプログラマブルSoC「PSoC 4L」を搭載したIHクッキングヒーターのデモ展示。現行製品に比べてコイルや静電容量式ボタンの制御数を増やすとともに、検出感度も高めることができる (クリックで拡大)

tm_151118cypress04.jpg PSoC 4Lシリーズを採用したIH調理家電製品の回路ブロックイメージ (クリックで拡大)

 さらに、静電容量式ボタンのタッチ検出を行う「CapSense」を実現するためのシグマデルタブロックも、2回路分をハードウェアで実装している。シグマデルタブロック数を、従来の1個から2個に増やすことで検出感度を高めた。これまで、カバー用ガラストップの厚みは2〜3mm以下でないとタッチ検出ができなかった。これに対して、PSoC 4Lを用いると5mm程度まで厚くしても検出できるようになった。

 近接センサーの機能を実現することもできる。検知部から30cm以内の範囲に手を近づけると、それを検知してLEDを点灯させることなどが可能である。もちろん、ボタンに水がかかっても誤動作しない水ぬれ検知機能や、手袋着用時でも検知可能など、これまでの特長も備えている。

 PSoCは、高性能のCPUコアやより大容量なメモリの実装に加えて、プログラマブルなアナログ及びデジタルブロック、I/Oなどを1チップに集積したSoCデバイスである。新シリーズとなるPSoC 4Lは、動作周波数が48MHzのARM Cortex-M0コアを搭載した。また、低電力オペアンプ、コンパレータ、アナログマルチプレクサ、SAR(逐次比較型)A-Dコンバータなど、13のアナログブロックを内蔵しており、複雑なアナログフロントエンド(AFE)を構成することができる。また、内蔵したタイマ/カウンタ、PWMブロック、シリアル通信ブロックなどを用いて、コプロセッサとシリアルインタフェースを実現することが可能である。

世界初!Type-C/USB-PD認証取得のPDコントローラIC

 USB Type-CポートコントローラIC「EZ-PD」関連では、同社の製品が「世界で初めて認定された」というUSB Type-C/USB-PD(Power Delivery)ICのデモ展示を行った。ポートコントローラICは、接続された機器同士が、データ通信や受給電を正しく実行するための制御を行うICである。

 同社のポートコントローラICは、プログラマブルSoC「PSoC」をベースに開発している。このため、規格の仕様が製品出荷後に改版されてた場合でも最新の仕様に合わせてアップデートすることができる。また、製品仕様の変更(アップグレード等)が生じた場合でも、ファームウェアを書き換えることで、柔軟かつ迅速に対応することが可能である。こうした特長を生かし、「2015年5月にはE-Markerとして、2015年8月にはUSB Type-C/USB-PDのコンプライアンステストにいち早く合格し、世界で最初の認証ICとなった」という。

 ブースでは、開発キットを用いたパワーデリバリのデモを行った。PCなどのホスト側からはケーブルに実装されたEマーカーの情報をもとに、端末側に電力を供給する。デモでは、ケーブルコネクタ端でのVbus電圧およびホスト側のコンシューマパス上のVbus電圧をそれぞれデジタルマルチメータ―で測定し、ケーブル接続後まずはホスト側から5V送電されていることを確認。ポートコントローラICで給電方向を切り替えると、今度は端末側からホスト側に5V送電されるなど、双方向の受給電が可能なことを具体的に示した。

tm_151118cypress05.jpg USB Type-CポートコントローラICを用いたパワーデリバリのデモの模様 (クリックで拡大)
赤い丸で囲った部分が、USB Type-Cケーブルに相当するボード。このUSB Type-Cケーブルボードで、写真右のノートPCとディスプレイをつなぎ、20Vの電力をディスプレイ側からノートPC側に供給。さらにディスプレイ側に取り付けられたUSBメモリ(青い矢印)に格納された映像データを読み取り、処理した上でディスプレイ側に映像を映し出している。これらのデータ通信も全て、USB Type-Cを介して行われている

 USB Type-CポートコントローラICとしては、第1弾の「CCG1」とそのシュリンク版となる「CCG2」を既に量産出荷している。さらに、CCG2の機能を強化した「CCG3」や、パワーデリバリポートを2個搭載した「CCG4」などもすぐにサンプリング予定だという。

1cm角ソーラー電池で動く無線センサーや車載対応大型タッチ技術も

 ET2015 では、上記以外にも電池レスBluetooth4.1対応無線センサーソリューションや、車載インフォテインメントシステム向け「Automotive TrueTouch」タッチスクリーンコントローラICなどのデモ展示を行った。

 電池レスBluetooth4.1対応無線センサーソリューションとして用意したのは、自己消費電流がわずか250nAで、起動電力も1.2μWと極めて小さいパワーマネジメントIC(PMIC)や、PRoC BLEチップを内蔵したEZ-BLE PRoCモジュールなどである。開発キットには、これらPMICや無線モジュール及び温湿度センサーなどを実装したマザーボード、小型のソーラーパネルモジュールなどが同梱されている。

 この開発キットを用いると、外形寸法が1cm角のソーラーパネルモジュールで動作する無線センサーモジュールを短期間で開発でき、システム評価を容易に行うことができる。「薄型のソーラーパネルを用いるとカード型無線センサーモジュールも実現することが可能である」。

 Automotive TrueTouchタッチスクリーンコントローラIC「CYAT8168X」は、合計88本のTx/Rx端子を備えており、画面サイズが15インチあるいはそれ以上の大画面タッチパネルに対応することができる。手袋タッチ機能や水滴、結露などが付着したパネル上でも誤動作なくタッチを検出できる防水性能を達成している。車載用途に向けてEMC対応も図っている。なお、「2016年早々にも、このタッチスクリーンコントローラICを組み込んだ製品が登場する」予定である。


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提供:日本サイプレス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2016年1月31日

ニュースリリース/トピックス/イベント

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