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» 2015年12月24日 11時30分 UPDATE

吹き荒れたM&Aの嵐:2015年半導体業界再編を振り返る[上半期編] (3/4)

[竹本達哉,EE Times Japan]

4月――イメージセンサー業界でさらなる変化

中国投資会社がOmniVisionの買収を発表=買収額19億米ドル

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 ISSI同様、中国の投資会社による米国半導体メーカーの買収案件だ。2015年は、中国資本による半導体業界での“爆買い”も目立った。

 OmniVision Technologiesは、CMOSイメージセンサーの大手。中国のHua Capitalに19億米ドルで2016年3月末までに買収される。イメージセンサーは、デジタルカメラ、スマートフォンとキラーアプリケーションを見いだし、順調に需要が拡大。今後は、自動車への複数個搭載も見込まれ、将来性も高い。この有望なイメージセンサーに触手を伸ばす企業は多く、2014年にはON Semiconductorが、Aptina、Turesensの2社を買収するなど、業界再編が進んでいる分野でもある。

5月――半導体史上最大の買収劇

MicrochipがMicrelの買収を発表――買収額8億3900万米ドル

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 PICマイコンで有名なMicrochip Technologyが、パワーマネジメントICなどアナログ/ミックスドシグナル半導体メーカーのMicrelの買収を発表した(8月に買収を完了)。Microchip、Micrelともに近年は積極的なM&Aを展開。Micrelもクロック/タイミング製品を手掛けるPhaseLinkを2012年に買収、さらに2013年には同じくタイミング製品を手掛けるDisceraを買収し、タイミング製品事業を強化してきた。一方のMicrochipは2012年に、車載ネットワークのMOSTやイーサネット、USBなどのネットワークやインタフェースの制御ICを手掛けるStandard Microsystems(SMSC)を買収。今回、MicrochipはMicrelを買収することで、製品ポートフォリオを大幅に広がり、総合半導体メーカーとしての基盤をさらに強める形になった。

AvagoがBroadcomの買収を発表――買収額370億米ドル

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 買収額370億米ドル。日本円にして、約4.6兆円。M&Aの嵐が吹き荒れた2015年を象徴する“半導体史上最大の買収劇”が起こった。年間売り上げ規模約56億米ドルのAvago Technologiesが、同約85億米ドルのBroadcomを買収するという“小が大をのむ買収”でもあり、業界を大きく驚かせた。

 HP/Agilent Technologiesの半導体事業部門から分社独立したAvagoは、MEMSベースのRFフィルターやアナログIC、光学製品、化合物半導体といったニッチな半導体を展開。2014年に、LSI Corporation(以下、LSI社)を買収しデータセンター/エンタープライズストレージ向けICを取り込んだ。一方のBroadcomは、携帯電話機向けベースバンド事業から撤退し、Wi-Fi/Bluetoothチップやイーサネットスイッチ、ネットワークプロセッサを手掛ける。経営統合した場合にも、製品重複はないが、相乗効果を得られるのは通信分野に限られる。Avagoは、LSI社買収後、LSI社のネットワーキングやフラッシュストレージなどの部門をIntelとSeagateに売却した実績がある。今回も、経営統合後、相乗効果の見込みにくいBroadcomの事業を売却、整理する見通しだ。

 なお、買収の完了は2016年1月の予定。Avagoは買収後、社名を「Broadcom」に変更する。

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