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NXP、7.5mm角の77GHz帯レーダーチップを披露CES 2016

NXP Semiconductorsは、「2016 International CES」(米国ラスベガス)で、1チップの77GHz帯レーダートランシーバを披露した。7.5mm角というサイズは、自動車のどこにでも搭載できるレーダーチップを望む自動車メーカーの目を大いに引きそうだ。

» 2016年01月07日 10時45分 公開
[Junko YoshidaEE Times]
CESロゴ

 NXP Semiconductors(以下、NXP)は、米国ラスベガスで開催中の「2016 International CES」(2016年1月6〜9日)で、1チップの77GHz帯レーダートランシーバを披露した。「世界最小」(NXP)だとする。

 NXP自動車部門のCTO(最高技術責任者)であるLars Reger氏によると、今回出展したレーダーチップのサイズは7.5×7.5mmだという。このチップにより、自動車メーカーやティア1サプライヤーは、自動走行車向けのレーダーセンサーシステムを開発しやすくなるとしている。NXPによれば、高解像度で360度見渡せる環境を実現できるという。

 Reger氏は、NXPは既に、プロトタイプを主要顧客数社に提供していると語った。同氏は、「当社の開発パートナーは、米国シリコンバレーのマウンテンビューに本拠地を構えるメーカーだ」と述べ、Googleとの協力関係を示唆し、Googleの自動走行車のエンジニア(Googleにはレーダーの専門家がいるのだ)が現在、プロトタイプの精査を終えて試運転を行っていることを付け加えた。

 現在、あらゆる自動車メーカーが、クルマの“目”の数を増やそうと、競い合ってセンサー技術を搭載しようとしている。主要なセンサーの1つであるレーダーには、暗闇や霧の中でも対象物が見えるという利点がある。さらに、スピードや物体との距離を測ることもできる。

 現在、高級車種の中には、2〜3個のSiGe(シリコンゲルマニウム)チップから成るレーダーシステムを搭載しているものもある。

 自動車業界では、車内のどこにでも搭載できる小型のレーダーチップへのニーズが高いといわれている。非常ブレーキ、適応走行制御(ACC)、ブラインドスポットモニタリング、交差点走行時の警告、自動パーキングなどを実現するためだ。NXPによれば、新しい小型レーダーレシーバチップでは、従来品に比べて消費電力が40%減少したという。

 Reger氏は「自動車の四隅にレーダーチップを搭載することができる。あるいは10〜20個の同チップを組み合わせて使うことも可能だ。これらは全て同じクロック周波数で動作する」と説明した。さらに、SiGeベースの高出力レーダーチップとCMOSベースの小型レーダーチップのどちらを使いたいのかを決めることもできる。Reger氏は、NXPとFreescaleが合併し、顧客にとってより最適な製品群を提案あるいは提供できるようになったと述べている。

リファレンス設計 NXPは現在、レーダーレシーバチップのリファレンス設計を提供している(クリックで拡大) 出典:NXP Semiconductors

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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