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» 2016年01月07日 13時00分 UPDATE

CES 2016:自動運転の実現はまだ遠く、トヨタがCESで語る

トヨタ自動車は「2016 International CES」で、人工知能の研究開発のための新会社「Toyota Research Institute」について説明するとともに、自動運転の展望について語った。

[David Benjamin,EE Times]

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、米国ラスベガスで開催中の「2016 International CES」(2016年1月6〜9日)で、人工知能の研究開発のために設立した新会社「Toyota Research Institute(TRI)」について説明した。今後5年間で、10億米ドル(約1180億円)を投入する予定だ。ここで研究される人工知能は自動車向けのもので、機械学習なども含まれている。恐らく、2009〜2010年にかけて発生した「意図せぬ急加速問題」がよほどこたえたのだろう。

自動運転の実現は、まだ遠く

 TRIのディレクターを務めるGill Pratt氏は講演で、「予期せぬ状況においても完全に自動運転できるクルマの実現には、まだ長い道のりがある」と強調した。現在、米国では毎年約3万人が交通事故で命を落としている。

 自動運転車への急速な移行に関するトヨタのこうした見解は、今回のCESに出展している他の自動車メーカーとは対照的なものだ。

 トヨタの米国法人であるToyota Motor Sales(TMS)の自動車部門でバイスプレジデントを務めるRobert Carter氏は、「理論的には、高性能なクルマは、人間よりも素早く対象物を発見し、反応する」としている。だが、Pratt氏は「運転というものは、ほとんどの場合は容易である」としている。そして、運転が簡単な状況で使えるような自動運転技術は既に存在しているのだ。「問題は、(アクシデントなどで)運転が難しい状況に陥った時でも完璧に自動運転を続けられるかどうかであり、TRIは、そうした非常に難しい技術課題を解決しようとしている」(Pratt氏)。

 TRIでは、米国スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)と、人工知能の共同研究を行う。同研究での最優先テーマは、「予期せぬ状況に反応するよう、クルマに“教える”こと」と、「クルマが意図しない動きをしていないか、監視するシステムを確立すること」になるという。

Toyota Research InstituteのCEOであるGill Pratt氏 Toyota Research InstituteのCEOであるGill Pratt氏

自動運転は、トヨタが生き残る鍵

 Pratt氏は、「意図せぬ急加速問題」に関わる一連の出来事から学んだ教訓を強調すべく、「われわれは、仕組みを理解できないものを信頼することはできない」と述べた。

 “難しい運転”についてPratt氏は、「ドライバーにしろ自動運転車の設計者にしろ、過酷な気象条件や、ある程度の速度範囲、交通量による課題など、さまざまなことに自動運転車が反応できるかどうかについては、懐疑的な見方をしている」との見解を述べた。Carter氏は、機械学習の進歩により、こうした領域における自動運転技術は向上すると話す。ただ、両氏とも、自動運転においては、コンピュータと人間のドライバーの“チームワーク”が重要になると強調した。

 Pratt氏は、TRIを「トヨタが“衝突事故を起こさないクルマ”を開発するための中核」と位置付けた。ただし同氏は、その目標を達成することの難しさも強調している。運転の複雑さは、完璧な自動運転車の登場を送らせている要因の1つだ。さらに大きなハードルとなっているのが、多くの消費者は、自動運転車が犯すミスを容認できないであろうということだ。

 Pratt氏は、「われわれは、マシンは今よりももっと進化すると考えている。ほぼ完璧になるだろう」と述べた。

 Pratt氏は、自動運転はトヨタが生き残る鍵になると考えている。

 Carter氏は、将来の燃料として水素についても言及した。トヨタは2015年1月に、燃料電池車の全特許5680件を無償公開すると発表した。Pratt氏も、水素で走る「ゼロエミッション」のクルマは、自動車の未来を表していると同意した。

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