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「ウェアラブルEXPO」を彩るスマートグラスたち東芝やシャープなどの展示を写真で紹介(1/2 ページ)

ウェアラブル端末の活用と技術の総合展「ウェアラブルEXPO」が、2016年1月13日に開幕した。本記事は、展示で注目を集めたスマートグラスやヘッドマウントディスプレイを写真で紹介する。

» 2016年01月14日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

シャープ

 シャープは、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)プロジェクターモジュールと表示デバイスを活用したスマートグラスを展示した。その特長は、表示デバイスが薄く軽量である点だ。厚さ2.5mmでフルカラー表示をできるという。同社は、「反射部分を積層させる独自の導光板技術によって実現できた」と語る。LCOSモジュールも部品配置の最適化により光学部品点数を削減し、小型軽量化を可能にした。

*)シリコン基板上に形成された各画素に対応する反射層を持つ映像用デバイス

 同社は今後、薄型表示デバイスとLCOSプロジェクターモジュールをメガネ型ウェアラブル端末を開発するメーカーに提案していく予定。ウェアラブルEXPOが参考出品となり、顧客の反応を見ながら改善していく段階のため、出荷時期は未定であるという。

シャープが「ウェアラブルEXPO」で展示した薄型表示デバイスとLCOSプロジェクターモジュールを活用したスマートグラス。体験コーナーでは、常に人だかりができている状況であった (クリックで拡大)
表示デバイスが薄く小型であることが分かる (クリックで拡大)

東芝

 東芝は、2016年1月13日に製品化を発表したスマートグラス「Wearvue TG-1」を展示した。作業手順やチェックリストなどの情報をレンズ越しに投影することで、ハンズフリーでの作業を可能にする。「重さは50g、サイズは167.9×162.5×38.0mmであり、長時間の作業でもストレスなく使えるように実用性を重視した」(同社)という。

 Wearvue TG-1は、独自の光学シースルー型バーチャルイメージ方式を採用。投影部を側面後方に配置でき、広い視野を確保することを可能にした。また、投影角度を調整できるPA(Personal Adjuster)機構を搭載し、顔の形状や眼間距離にかかわらず日本人成人の98%が投影画面を見ることができるとしている。

「ウェアラブルEXPO」で展示した「Wearvue TG-1」 (クリックで拡大)

 同製品は、市販されているWindows端末とHDMI端子(type-D)で接続して使用する。電源もUSB端子を通して、モバイルバッテリーから供給する必要がある。同社は有線で接続して利用する理由に関して、「無線化も可能だが、重くなるという欠点がある。展示会や顧客とのヒアリングを通して、現場は無線化を必須としていないと判断した。そのため、ケーブルは伴うが、軽さや装着性などの実用性を重視した」と語る。

「Wearvue TG-1」のシステム構成 (クリックで拡大)

 同製品は、2016年1月13日から国内のB2B(Business-to-Business)向けに受注活動を開始。出荷開始は、2016年2月29日の予定である。Windowsで動作するシステムやソフトウェアを別途開発する必要があるため、ソフトウェア開発キット(SDK)も出荷開始とともに無償で提供するとしている。出荷開始後1年以内に次世代製品も展開する予定とし、メガネをかけている人でも利用できる形状などの開発を考えているという*)

*)今回発表されている「Wearvue TG-1」は、特殊なレンズを用いているためメガネとセットで使用する必要がある。そのため、メガネを普段かけている人は利用できないという。

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