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» 2016年01月26日 11時30分 UPDATE

有機半導体でコスト1/10以下に:印刷によるセンサー付き電子タグ 商用化へ前進 (1/2)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年1月25日、商用ICカード規格のスピードで動作する有機半導体を用いた温度センシング回路を開発したと発表した。印刷/塗布だけで製造できる回路であり、温度管理が必要な食品などに用いる温度センサー付き電子タグを低コストで製造できる。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 電子タグが貼られた一升瓶をリーダーにかざせば、銘柄と温度情報が瞬時に表示される――。

tt160126NEDO_01_001.jpg NEDOが2016年1月25日に公開したデモ。写真左手の一升瓶に取り付けられた温度センサー付き電子タグをリーダー(読み取り機)にかざすことで、品名や温度情報が伝わり、リーダーと無線接続されたタブレット端末に情報がリアルタイムで表示される (クリックで拡大)

年々、進化を遂げる

 物流分野などで、使われるケースが増えてきた電子タグだが、温度検知機能などを搭載したインテリジェント型電子タグは普及していない。使い捨てが当たり前の中で、コストが見合わないためだ。現状、温度センサーを搭載した電子タグは、1000円以上の価格になるという。

 2016年1月25日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がトッパン・フォームズなどと共同で発表した温度検知機能付き電子タグは、全て印刷/塗布で回路などを形成できる有機半導体技術を応用、「将来的には、50円以下のコストで(インテリジェント型の)電子タグを製造できる技術」というのだ。

 トッパン・フォームズや東京大学、富士フイルムなどは、NEDOプロジェクトとして2012年度から、印刷可能な有機半導体を用いた電子タグの開発に着手。2014年1月には、印刷を用いて有機半導体によるNFCなどのRFIDが使用する商用周波数(13.56MHz)に対応したデバイスを開発*1)。さらに翌2015年1月には、有機半導体でデジタル回路を形成し、1ビットの温度情報とIDを無線送信できる電子タグを開発していた*2)

tt160126NEDO_01_002.jpgtt160126NEDO_01_003.jpg 左=これまでの開発成果の概要 / 右=1年前に発表したデジタル回路の印刷製造技術の概要 (クリックで拡大) 出典:NEDO

*1)関連記事:塗って乾かすだけの有機半導体でRFIDタグの動作に成功
*2)関連記事:プリンテッドLSIの幕開け!――印刷できるセンサー付きデジタルタグを作製

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