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» 2016年01月29日 09時30分 UPDATE

2015年は前年比わずか0.5ポイント増:半導体業界の研究開発費は抑制傾向に

IC Insightsによると、半導体業界における研究開発費は抑制傾向にあるという。開発費ランキングでは、Intelが群を抜いてトップに立っている。

[Dylan McGrath,EE Times]

 米国の市場調査会社であるIC Insightsによると、2015年の半導体業界における研究開発費は564億米ドルに達し、過去最高を記録したという。しかし2015年後半に、企業統合が増加したり、世界経済や売上高が低迷したことなどに対する懸念から、半導体研究開発費の増加幅は小さくなっているようだ。

 IC Insightsによれば、2015年における半導体業界の研究開発費の成長率は、前年比でわずか0.5ポイントしか増加しておらず、2009年の減少以来、増加幅としては最も小さかった。また、この0.5%という増加率は、過去10年間の半導体研究開発費の年平均成長率(CAGR)が4%であるのと比べても、非常に少ないといえる。

 IC Insightsの2016年度版「The McClean Report」によると、2015年の半導体業界の研究開発費ランキングにおいて、半導体チップ最大手のIntelが全体の22%を占め、2位を大幅に引き離しての1位を獲得した。トップ5社には、Intelに続き、QualcommとSamsung Electronics、Broadcom、TSMCがランクインした。これらの上位5社に関しては、2014年のランキングと全く同じだとしている。

2015年の研究開発(R&D)費ランキング上位10社
順位 社名 半導体売上高(百万米ドル) R&D費(百万米ドル) R&D費/売上高
1 Intel 50,494 12,128 24.0%
2 Qualcomm 16,032 3,702 23.1%
3 Samsung Electronics 41,606 3,125 7.5%
4 Broadcom 8,421 2,105 25.0%
5 TSMC 26,439 2,068 7.8%
6 Micron Technology 14,816 1,695 11.4%
7 東芝 9,734 1,655 17.0%
8 MediaTek 6,699 1,460 21.8%
9 SK Hynix 16,917 1,421 8.4%
10 STMicroelectronics 6,840 1,409 20.6%
合計   197,998 30,768 15.5%
出典:IC Insights

 トップ10社の研究開発費の合計は、2014年比で約2ポイント増加していて、業界全体の増加率0.5%を上回っている。また、トップ10社の研究開発費は合計約308億米ドルで、その他全ての半導体メーカーの研究開発費の合計約256億米ドルを上回っている。

 IC InsightsのシニアリサーチアナリストであるRob Lineback氏は、「2015年の半導体研究開発費の前年比0.5ポイント増という数字は、当社が集計を開始して以来、最も低かった。これまでは2013年の1%増が最も低い数値だったが、それを下回った。研究開発費が減少に転じた年は、2009年の他、2001年と2002年だけだ」と述べている。

伸び悩む研究開発費の成長率

 Lineback氏は、「近年、研究開発費の成長率が伸び悩んでいる。1978〜2015年における半導体業界の研究開発費は、CAGRが12.6%だったが、2016〜2020年は6.7%と大きく低迷する見込みだ」と述べる。

 また同氏は、「年間売上高全体に占める研究開発費の割合が、大きく変化してきている」と指摘する。売上高全体に対する研究開発費の割合は、1970年代にはわずか8%程度だったが、2000年ごろには15〜18%にまで増加したという。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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