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» 2016年02月22日 10時30分 UPDATE

身の回りの機器を、より賢くする:演算量は従来の10分の1、コンパクトな人工知能

三菱電機は、車載機器や産業ロボットなどに搭載できる「コンパクトな人工知能」を開発した。演算量を従来の10分の1に削減しても、従来と同等の推論結果が得られる機械学習アルゴリズムを開発したことで実現した。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

 三菱電機は2016年2月、車載機器や産業ロボットなど組み込み機器に搭載できる「コンパクトな人工知能」を開発したと発表した。演算量を従来の10分の1に削減しても、従来と同等の推論結果が得られる機械学習アルゴリズムを新たに開発したことで実現できた。

 システムがデータの特長を学習して、事象の認識や分類を行う機械学習は、高度な推論を行うため、多層のネットワーク構造を用いる。このため、センサーからのデータ入力が増大すればするほど、その演算量や使用するメモリ容量は加速度的に増加するため、これまでは機器側で対応することが難しく、大規模サーバや広帯域ネットワークの環境が必要となっていた。

 新たに開発した機械学習アルゴリズムは、入力する多くのセンサーデータについてその特長を分析し、重要な「枝」のみを残すことにした。これによってノードに結合される枝の総数を減らすことができ、推論精度は維持したままで、演算量を大幅に削減することが可能となった。

tm_160218mitsubishi-ai01.jpg 従来の機械学習アルゴリズム(上部)と、新たに開発した機械学習アルゴリズム(下部)のイメージ図 (クリックで拡大) 出典:三菱電機

将来は演算量を100分の1に!?

 画像認識を行う場合、従来方式に比べて、演算量と使用するメモリ容量は10分の1になるという。センサーからの入力データがこれまで以上に増加した場合、従来方式だと演算量は2乗で増える。ところが今回の技術を用いると、入力数の増加分で収まるため、将来は演算量を100分の1に削減できる見通しだ。

 このため、車載機器に開発した機械学習アルゴリズムを搭載すれば、運転者の漫然運転検知などが可能になるという。展示会場では、運転者の心拍数やハンドル舵角など7つのセンサー情報から運転状況を判断する用途を紹介した。動作周波数が1GHz以下の車載用マイクロコントローラで演算しても、その処理時間は1秒以下と短く、高速道路走行時でも十分対応可能とみている。

 新開発の機械学習アルゴリズムは、自動車への提案に加え、シーケンサーや産業用ロボットなどのFA機器、セキュリティカメラ装置といったさまざまな組み込み機器において、人工知能の搭載が容易になるとみられている。

tm_160218mitsubishi-ai02.jpg さまざまな組み込み機器に搭載が可能となる新開発の機械学習アルゴリズム (クリックで拡大) 出典:三菱電機

 同社は、産業用ロボットや工作機械、さらには車載機器などへの搭載を視野に入れ、2017年度中にも製品化する予定である。

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