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» 2016年03月03日 12時15分 UPDATE

消費電力は10W以下:ドローンに“自律”をもたらすGPU搭載スパコン

NVIDIAは、モジュール型のスーパーコンピュータ「Jetson TX1」を提供を国内で開始した。処理能力が1TFLOPS以上でありながら、消費電力を10W以下におさえている。これにより、ロボットやドローンの自律機器としての能力を高めることができるという。

[庄司智昭,EE Times Japan]

 NVIDIAは2016年3月1日、モジュール型のスーパーコンピュータ「Jetson TX1」の提供を国内で開始した。機械学習やコンピュータビジョンなどの処理に高い性能を実現し、ロボットやドローンの自律機器としての能力を高めることができるという。

 サイズは、50×87mmとクレジットカードより少し小型となっており、GPUに同社のMaxwellアーキテクチャ、256基のCUDAコアを搭載。他にも、64ビットのARM-A57 CPU、1400Mピクセル/秒をサポートするカメラ、4GバイトのLPDDR4、16GバイトのeMMCなどを搭載している。対応するOSは、Linux for Tegraである。処理能力が1TFLOPS以上でありながら、消費電力を10W以下におさえたのが特長だ。

ts160303_NVIDIA01.jpg NVIDIAの自律機器向けプラットフォーム部門でプロダクトマネジャーを務めるJesse Clayton氏。手に持っているのが、モジュール型のスーパーコンピュータ「Jetson TX1」である (クリックで拡大)

自律性の鍵は「機械学習」

 昨今、ロボットやドローンなどをはじめ、機械学習が多くの機器で活用さている。対話ができるロボットや、災害の救助を行うドローンなどが分かりやすい例だろう。NVIDIAの自律機器向けプラットフォーム部門でプロダクトマネジャーを務めるJesse Clayton氏は、「技術の進歩の伴い、ロボットやドローンなどの機器には自ら学んで稼働する自律性が求められている。そのためには、正確に堅牢な形で“ものを見る機能”が必要だ。“ものを見る機能”を持つ成功の鍵は、機械学習にある」と語る。

 しかし、機械学習で学習させたニューラルネットワークの推論には多くのデータ処理が伴うため、高い処理性能が求められる。その解決方法として、Clayton氏は「得られたデータをクラウドにあげる方法がある。しかし、クラウドだとデータをあげて処理を行うまでに遅延が伴う。性能の良いプロセッサでも65Wの消費電力がかってしまい、大きな冷却システムが必要になるため、モーターサイズが大きくなってしまうのだ。最近はGPUが活用されているが、全体的にバランスの良い製品がなかった」とする。

 Jetson TX1は今回、従来モデルである「Jetson TK1」よりGPU/CPUの性能を上げたことで、処理能力を1TFLOPS以上、消費電力10W以下を実現したという。ドローンの開発を行っているenRouteの開発部長を務めるKai Yan氏は、「消費電力10W以下で動作するのは初めてで、ドローンの可能性を広げることができる」と語った。

ts160303_NVIDIA03.jpgts160303_NVIDIA04.jpg 左=「Jetson TX1」を搭載したドローン/右=機械学習で学習させたニューラルネットワークをもとに推論し、物体の識別を行った結果を色であらわしている (クリックで拡大)

 Jetson TX1の米国における価格は、1000個購入時で299米ドル/個で、国内では菱洋エレクトロが販売代理店を務める。開発キットを2016年3月、モジュール単体を2016年上半期に提供予定。米国での開発キットの価格は、599米ドル/個となっている。

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