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直流のまま充電できる容量12kWhの蓄電システム太陽光パワコンを内蔵

ニチコンは、「スマートグリッドEXPO」(2016年3月2〜4日/東京ビッグサイト)で、直流のままで充電できるハイブリッド型蓄電システム「ESS-H1L1(仮)」の参考展示を行った。

» 2016年03月09日 11時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 ニチコンは、2016年3月2〜4日に東京ビッグサイトで開催された「スマートグリッドEXPO」で、ハイブリッド型蓄電システム「ESS-H1L1(仮)」の参考展示を行った。

 同蓄電システムは、新しく開発したリチウムイオン電池の搭載で、12kWhの容量と15年保証(1日1回の充放電想定)を実現した。充放電能力は太陽光充放電が5.9kW、自立運転出力が5.9kW。停電時は、蓄電システムからの電力供給に自動で切り替わり、標準的な家電を最大23時間使用できるとする。これにより、「冷蔵庫の食品がいたむのを防いだり、スマートフォンの充電に困ったりすることはない」(同社)とした。

ハイブリッド型蓄電システム「ESS-H1L1」 (クリックで拡大)

本体に太陽光パワコンを内蔵

 一般的な蓄電システムは、太陽光で発電した電力を直流から交流に変換して充電を行っている。そのため、直流から交流に変換する分のロスが生じている。今回、展示した蓄電システムは、直流のままで充電を可能にしたため、高効率を実現できたのが特長という。説明員は、高効率を実現できた理由に関して「当社がコンデンサーで培ってきた土台を生かして、ロスの少ない回路を設計できた」と語る。

 また、蓄電システム本体に太陽光パワコンを内蔵しているため、国内メーカーの幅広い太陽光発電システムや、燃料電池とも接続可能。太陽光発電の出力規制が行われたとしても、電力を蓄電システムにためておき、家庭で有効活用できるとしている。

ニチコンのハイブリッド型蓄電システムは直流のままで充電できる (クリックで拡大) 出典:ニチコン

 運転モードは、「グリーンモード」「経済モード」の2種類を展開。グリーンモードは、太陽光で発電した電力は昼間に家庭内で使用し、余剰分を蓄電システムに充電して、夜と朝のピーク時に活用する。経済モードは、電力の余剰分を全て売電する。

「グリーンモード」の概要 (クリックで拡大)

今後はパネルメーカーとの提携を

 同蓄電システムの販売開始は、2016年6〜7月頃としている。説明員は、「販売開始まで、パネルメーカーとの提携を進める。他のメーカーは、太陽光パネルと蓄電システムをセットで展開するのが一般的だ。多くのパネルメーカーと提携できれば、消費者に選択の機会が増え、当社にとってもそれが強みとなるだろう」と語った。

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