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GoogleがIBM「POWER」サーバに移行へ「POWER9」搭載サーバを開発中(2/3 ページ)

» 2016年04月12日 15時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

POWER9の特徴

 POWER9には2つの特徴がある。1つは、大規模なデータセンターのクラスタを拡大できるよう、メモリを直接搭載しているという点。もう1つは、大規模エンタープライズにおいてシステムを拡大するために、バッファメモリを使用するという点だ。GLOBALFOUNDRIESの14nmプロセスを適用して製造し、2017年末までにはテープアウトして供給を開始できる見込みだという。

 Googleのプラットフォームグループ担当シニアディレクターを務めるGordon MacKean氏は、EE Timesのインタビューに対し、「当社が、POWER8サーバを構築したりソフトウェアを移植したりしたのは、Intelとの価格交渉において優位な立場を確保するためではない。利用できる技術を全て検討し、コストパフォーマンスが最も高い技術を導入する企業としての位置付けを確立することにより、最高のプラットフォームの導入を実現していきたいとの考えからだ」と述べている。

 Googleは現在、自社の研究所において、ARMのハードウェアに自社ソフトウェアを移植しているという。MacKean氏は、「GoogleはARMに対し、わずかながら後れを取っているが、POWERに関しては、はるか先を行っている」と述べたものの、移植に使用しているARMハードウェアの種類については詳細を明かさなかった。

 同氏は、「今後も引き続き、全体像を捉えていきたいと考えている。導入の実現に向け、常に引き金を引ける体勢を整えておく必要がある」と述べる。

プラットフォームの競争が激化

 さらに、「かつてのAMD/Intelの時代と同様に、それぞれのプラットフォームが互いに競り合うようになるだろう。現在のところ、命令セットアーキテクチャをめぐる競争が繰り広げられているため、われわれは非常に複雑な状況に置かれているが、役割を果たすべく取り組んでいる。さらに、Open Compute Projectの活動も一段と増えている」と付け加えた。Open Compute Projectとは、Facebookが提唱するオープンソースハードウェアグループであり、Googleも2016年初めに参加を表明したところだ。

 IBMのPOWERロードマップでは、2018〜2020年に10nm/7nmプロセスを適用して製造する予定のPOWER8/POWER9チップシリーズに関する計画が明かされている。IBMのフェローであり、POWER開発担当バイスプレジデントを務めるBrad McCredie氏は、「2020年以降に、新しいマイクロアーキテクチャを発表する予定だ」と述べている。同氏は、Open POWERグループの設立に携わった。

 McCredie氏は、「これまでの数年間に、少なくとも1人の担当者がPOWER10の開発に携わってきた。現在もミーティングを開き、POWER10の実行計画に積極的に取り組んでいるところだ」と述べる。

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