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半導体製造装置メーカー売上高ランキング――2015年Applied Materialsが首位を維持

Gartnerの発表によると、2015年における前工程用半導体装置の売上高は336億米ドルで、前年比1%減だった。売上高上位10社でトップに立ったのは2014年に引き続き、Applied Materialsで、前年比24.7%増と大きく売り上げを伸ばしたLam Researchが2位に続いた。

» 2016年04月13日 12時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 米国の市場調査会社であるGartnerが2016年4月に発表したレポートによると、2015年における前工程用半導体製造装置(WFE)の売上高は、前年比で1%減となる336億米ドルだった。そのうち、売上高上位10社の合計額が、77%を占める。

2015年世界半導体製造装置メーカー売上高ランキング
15年
順位
14年
順位
メーカー名 所在地 2015年売上高
(百万米ドル)
対前年
成長率
シェア
1 1 Applied Materials 米国 6,420.2 1.3% 19.1%
2 4 Lam Research 米国 4,808.3 24.7% 14.3%
3 2 ASML オランダ 4,730.9 ▲16.0% 14.1%
4 3 東京エレクトロン 日本 4,325.0 ▲7.3 12.9%
5 5 KLA-Tencor 米国 2,043.2 ▲4.0% 6.1
6 6 SCREENセミコンダクターソリューションズ 日本 971.5 ▲13.9% 2.9%
7 10 日立ハイテクノロジーズ 日本 788.3 ▲15.9% 2.3%
8 7 ニコン 日本 724.2 ▲11.5% 2.2%
9 9 日立国際電気 日本 633.8 5.7% 1.9%
10 13 ASM International オランダ 582.5 4.5% 1.7%
その他 7,576.7 4.2% 22.5%
合計 33,604.3 ▲1.0% 100%
出典:Gartner

 Gartnerで調査担当バイスプレジデントを務めるBob Johnson氏は、「主要なエレクトロニクス分野の最終製品の需要が減速したことに加え、メモリの過剰供給もあり、半導体メーカーの2015年における設備投資計画が保守的になった。それが、WFEへの投資に影響した」と分析する。同氏は「メモリ分野に対する投資は勢いがあるが、ロジック市場での減速を補うには不十分だった。ロジックICメーカーは、生産量を増やすよりも、ロジックプロセスの改善に注力した」と続けた。

3D ICがけん引役に

 Applied Materialsは、前年比で1.3%成長し、首位の座を維持した。半導体業界では、FinFETや3D(3次元) NAND型フラッシュメモリなど、3D ICへの投資が増えており、これがApplied Materialsの主要な成長要素となった。

 Lam Researchは上位10社の中で最も大きく成長し、2014年の4位から2位へとランクアップした。同社が前年比で24.7%の成長を遂げた要因も、3D ICにあるとGartnerは分析している。

為替の影響

 Gartnerは今回のランキングで見逃せない点として、為替の影響も挙げている。「2015年は、米ドルに対して円安とユーロ安が続いた。成長率が基本的に横ばいの市場では、為替の変動が大きく影響する。とりわけリソグラフィー(露光装置)は、価格が全て円かユーロで設定されているので、影響を受けやすい」(Johnson氏)。

 装置別にみると、リソグラフィーの売上高減少が最も大きく、前年比で13%減となった。一方で、イオン注入装置と材料除去/洗浄装置は、それぞれ24%増と6%増と、大きく伸びた。プロセス制御装置は2.5%の減少、光学パターン付きウエハー検査装置は15%の減少となった。これは、メーカーが新しい装置の購入を控えたからだと、Gartnerは説明している。


※おわびと訂正:掲載当初表中9位に「日立化成」と表記しておりましたが、「日立国際電気」の誤りでした。おわびして、訂正致します。(編集部)

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