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» 2016年04月28日 11時30分 UPDATE

江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る(10):カップ1つ作るのに、ご主人様とメイドは4000回会話する (6/8)

[江端智一,EE Times Japan]

カナダ企業は装置に手を加えることなくコスト削減

川野さん ハスキー社(Husky Injection Molding Systems/本社:カナダ)は、メカ製造に変更を加えずEtherCATの超高速制御だけで、この2000万円を捻り出したのです。

江端 一体どうやって……

 詳しい内容は、こちらのPDFデータに記載がありますが、このPDFデータの27ページにあるグラフを使って簡単に説明します。

 ヨーグルトカップを製造する場合、単にプラスチックを射出すれば良いわけではありません。

 その射出する時間、速度、圧力を、そのタイミング毎に緻密に変化させながら、金型の中に満遍なく、同じ厚さ、密度でプラスチックを送り込み、そして、気泡(空気の泡)などを発生させてはなりません。

 デコレーションケーキで、絞り袋を使って生クリームを飾り付けるときの、プロの技と同じです。

 EtherCATは、わずか1個のカップを成形する間に、4000回も状況を取得し、4000回もコントロール(射出速度や圧力)を緻密に変化させ続けます。

 これが従来(500回)の8倍もの細やかさで行われるのであれば、制御の精度がアップするのは当然です。

 つまり、制御の世界において高速化は無条件に正義なのです。

 さて、このヨーグルトカップにおけるEtherCATの超高速制御の成果は以下の通りです。

 よくよく考えれば、「高速化」で悪いことなど1つもありません。

 遅いものを速くすることはできませんが、その逆はいつだって簡単に実現できます。

 今、EtherCATは100Mイーサネットを前提としていますが、これがギガビットイーサネットになれば、さらに1桁、制御の精度を上げることができます。現在の4000回の命令が、4万回になるということです。

 従来、このような超高速のモーション制御というのは、制御LANにつながった専用制御ボード(FPGA)などで行われたものですが、恐ろしいことに、EtherCATはこのような「制御ボード」の世界までも喰い尽くす可能性があるのです。

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