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IoTセンサー端末、セキュリティをより強固にIoT/M2M展

マクニカは、「第5回IoT/M2M展 春」で、「MpressionによるセキュアなIoT(モノのインターネット)」を実現するための新たなセンサー端末などをデモ展示した。

» 2016年05月13日 15時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 マクニカは、「第5回IoT/M2M展 春」(2016年5月11〜13日、東京ビッグサイト)において、「MpressionによるセキュアなIoT(モノのインターネット)」を実現するための新たなセンサー端末などをデモ展示した。

 同社は、IoTシステム構築に向けて、各種センサーによるデータ収集からデータ通信、クラウドシステムによるデータの分析/解析、及びセキュリティなどに対するコンサルティング、さらには機能モジュールなどの「モノづくり」まで、ワンパッケージでサービスを提供している。

 展示ブースでは、特定小電力無線やWi-Fi、Bluetooth Smartなど、さまざまな無線方式に対応するセンサー端末などを紹介した。その1つが新たに独自開発したIoTセキュリティ対応プロトタイピングボード「Adaptive Bee」である。

独自開発のIoTセキュリティ対応プロトタイピングボード「Adaptive Bee」の外観(右)と内蔵しているボード

 Adaptive Beeは、基板上にMCUやFPGAなどを搭載した他、無線モジュールやセンサーモジュールは着脱可能な設計となっている。このため、特定小電力無線やWi-Fi、Bluetooth Smartなど、主要な通信規格に対応したモジュール、あるいは温湿度、加速度、照度などのセンサーモジュールを、用途に応じて付け替えることができる。

 Adaptive Beeの大きな特長は、Infineon Technologies製のセキュリティチップを搭載していることである。「搭載しているマイコンには、暗号処理をハードウェアで実行するエンジンが内蔵されている。これとは別に秘密鍵を格納するセキュリティチップを組み合わせて用いることによって、プロセッサコアに負荷をかけずに、さらに高度なセキュリティ機能を端末側で実現することが可能になる」(説明員)という。

モノづくり支援など、新サービスも開始

 展示ブースでは、新たに開始したサービスも紹介した。1つは高性能FPGA向けOpenCL開発環境をネットワーク経由で利用できる「Mpression OpenCLラボ」である。Altera製FPGA搭載ボード(現在はStratix V。いずれArria 10も追加サポート予定)と関連する開発環境を導入したサーバを無料で貸し出す。利用者は暗号化されたセキュアなネットワークを経由して外部からリモート接続することができる。このサービスを活用することで、評価のための初期投資が不要になるという。

 もう1つは、VAIOとの協業による「モノづくり」支援である。さまざまな製品アイデアを持つスタートアップ企業などのモノづくりをバックアップする。具体的には、高密度実装や無線回路/筐体設計、材料選択及び信頼性や品質などに対して、高度な技術力や豊富な経験、ノウハウを持つVAIOが、設計から試作/量産まで、顧客が必要とする支援を行う。「海外企業に製造委託すると言葉の問題などから、設計者の意図が製造現場へ十分に伝わらないこともある」(説明員)と話す。こうした課題を解決するため、マクニカはVAIOと連携して、モノづくりをサポートしていくことにした。

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