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クアルコム注力する11ad、60分 4K映像を30秒でIoT/M2M展(1/2 ページ)

Qualcomm(クアルコム)は、「第5回 IoT/M2M展」(2016年5月11〜13日/東京ビッグサイト)で、高速無線通信規格「IEEE 802.11ad」に関するセミナーを行った。デモでは、IEEE 802.11ad対応スマートフォンのスループットが、2Gbpsを超えている様子が見られた。

» 2016年05月17日 09時30分 公開
[庄司智昭ITmedia]

 Qualcomm(クアルコム)は、「第5回 IoT/M2M展」(2016年5月11〜13日/東京ビッグサイト)で、無線通信規格「IEEE 802.11ad」(11ad)に関するセミナーをブース内で開催した。

 クアルコムシーディーエムエーテクノロジーズのビジネスディベロップメント部でスタッフマネジャーを務める西村文克氏は、「11adは、IoTにおいて重要な技術」と語る。

最大スループット4.6Gbps

 既存のWi-Fi規格「IEEE 802.11ac」(11ac)は現在、MU-MIMO対応製品まで展開されており、さらに高速化した次期規格「IEEE 802.11ax」のワーキンググループが発足している。しかし、「最大スループットが頭打ちになっている」(西村氏)という。

Wi-Fiの進化 (クリックで拡大)

 11adは、ミリ波である60GHzの無線周波数帯を使用し、最大スループット4.6Gビット/秒(bps)を目指す新しい無線規格だ。2.4GHz帯を使用する11acより高周波のため、減衰しやすく、通信距離が狭いという課題を持つ。

 しかし、60GHz帯の1チャンネル当たりの帯域幅が非常に広い2GHzの帯域を4バンド用意されており、無線規格として非常に高速だ。アンテナにビームフォーミングを採用しており、干渉が少ないのも特長だ。これにより、Wi-Fiの容量増大が期待できる。

ビームフォーミング技術の概要 (クリックで拡大)

4K TV映像のダウンロードは30秒

 西村氏によると、クアルコムのチップセットを使用した特性評価では、最大122mまで1Gbpsのスループットを実現しているとする。また、11adは、Fast Session Transfer(FST)という機能が追加されており、60GHz帯を利用できなくなった時にシームレスに2.4GHz、5GHz帯に切り替えできるようになっている。

 利用アプリケーションとしては、4Kのビデオストリーミング、ワイヤレスドッキングステーション、現在のWi-Fiアクセスポイントのような用途などが考えられる。例えば、60分間の4K TV映像のダウンロードは、30秒で可能になるとしている。

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