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2015年度の日本の電子部品をグラフで振り返る日系電子部品メーカーの世界シェアは38%か(1/2 ページ)

電子情報技術産業協会(JEITA)は、2015年度の「日本メーカーによる電子部品の世界出荷額」に関する統計結果について説明を行った。スマートフォン向け高周波部品がけん引したとみられる。

» 2016年06月17日 11時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

高周波部品が前年比43%増加

 電子情報技術産業協会(JEITA)は2016年6月、毎月発表している「日本メーカーによる電子部品の世界出荷額」に関する2015年度の統計結果について説明会を行った。

 同統計は、日本の部品メーカー74社を対象に13品目、5地域の結果を毎月公表しているものである*)。生産場所には海外も含まれている。2015年度現在、カバー率は44%。JEITAは「電子機器動向把握の先行指標として、評価を得ている」とする。

*)詳細な品目内訳表はこちら:JEITA「電子部品グローバル出荷統計品目内訳表」

2015年度の日本メーカーによる電子部品世界出荷額の推移 (クリックで拡大) 出典:JEITA

 統計結果によると、2015年度の出荷額は前年比5%増となる3兆9739億円となった。品目別でみると、受動部品が全体の33%、接続部品が27%、変換部品が21%、その他の部品が19%を占める。いずれも前年比ベースでは増加しているという。

 JEITA電子部品部で業務グループ長を務める木村司氏は、「前年比増加をけん引したのは高周波部品だ。スマートフォンの需要増加による影響が強く出た」と語る。高周波部品は、他の品目と比べても群を抜いた成長を見せ、前年比43%増となる4830億円。特に、2015年1月には前年比ベースで93%増となる583億円を記録している。

品目別の動向。高周波部品は「その他の電子部品」に位置付けられている (クリックで拡大) 出典:JEITA

12月は約3年ぶりとなる前年割れ

 しかし、2015年12月には全体の出荷額が約3年ぶりの前年割れとなっている。2016年に入っても前年割れが続いていて、回復の兆しがみられないのが現状だ。

電子部品全体の長期推移 (クリックで拡大) 出典:JEITA

 木村氏は、「データが示す要因までは調査していないため、出荷額が落ち込むはっきりとした理由は分からない。考えられるのは、スマートフォン市場の成長が鈍化したことで、高周波部品の成長率が下がってしまったこと、中国向け出荷額が減ったことが挙げられる。今後、新興国向けのスマートフォン市場の伸びは期待できる」と語る。

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